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JクレとJCMがCORSIA申請(3)

前回は、「太陽光発電設備の導入」方法論によるクレジットを、先行的に申請しようとしている旨お伝えしましたが、実際既に申請済みです。

申請中のクレジット一覧

受理後、3月25日から4月24日までパブコメを受け付けていました。
既に締め切られており、TAB(Technical Advisory Body 技術諮問組織)にて、EUC(Eligible Unit Eligibility Criteria)を踏まえた審査がなされている段階と思われます。

この後、各申請主体へ③勧告がなされ、それに対する修正・補正等がなされた上で、理事会において承認、決定されます。

CORSIA適格排出ユニット 承認フロー

Criteriaには、11のプログラムの設計に関する要素、8つの十全性に関する要件及び8つの適格性に関する要件が示されています。

詳細には立ち入りませんが、TSVCM(Taskforce on Scaling Voluntary Carbon Market)がまとめた、ボランタリークレジットの質を確保するための原則(Core Carbon Credit Principles : CCP)に盛り込まれている内容でした。

例えば、
・定量的なMRV
・第三者検証機関による妥当性確認及び検証
・追加性、透明性、一貫性
・ダブルカウント防止
・リーケージ回避措置
・厳格なトラッキング及びレジストリ
などなど、通り一遍のプロジェクト型のクレジットの要件が並んでいます。

ちなみに、CCPはこのような内容です。

現在、適格とされているものは、以下の8つがありますが、全ての方法論が使用できるわけではありません。「CORSIA Eligible Emissions Units」で確認する必要があります。

適格排出ユニット(22年3月現在)

その中で注目すべきは「Scope of Eligiblity」
除外される方法論についての記述があります。
見たところ、かなりの程度「除外」されてます。
TABから、様々な「勧告」を受けたのではないでしょうか。

と言うことを踏まえて、承認されるための条件を見てみると、J-クレジットが適格排出ユニットとされる上でクリティカルになるのでは?と思ったのは、以下の3点。

1.永続的な排出削減をもたらすこと
永続的な排出削減、回避、または炭素吸収量に基づかなければならない。・

2.持続可能な開発要件:
活用されている持続可能な開発に関する要件を公開すること。

3.セーフガードシステム:
環境及び社会的リスクに対処するためのセーフガードの要件があること。

事務局は、これらを精査した上で、「太陽光発電設備」なら行ける!
と判断して、先行して申請したと考えます。

あとは、TABからの勧告に、適切に対応できるかでしょうね。
過去の事例も見てみましたが、合格率は、高くはないようです。
対策と傾向をちょっと探ってみようかなとも思っています。

いずれにせよ、結果は来年となります。
よい初夢が見れますでしょうか。

さて、このネタ、もう少し話をさせて下さい。
その、活用の方法についてです。
お楽しみに。


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