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空港カーボン認証のすすめ

ある空港から、クレジットの発注がありました。
Airport Carbon Accreditationに適用できるクレジットを調達したいと。
エアラインのCORSIAは知っていましたが、空港の方は初めてでしたので、調べてみました。

Airport Carbon Accreditation(空港カーボン認証)とは、国際空港評議会(ACI:Airports Council International)が2009年からスタートさせた空港のCO2排出を管理、削減する取組みを評価し、最終的にはカーボンニュー トラルを目指すという約束を実施するための認証制度です。

なお、ACIは、世界185ヶ国、717団体、1950の空港がメンバーとなっている業界団体ですね。北米の空港を中心に組織されていたAOCI(Airport Operators Council International)と、欧州の空港を中心に組織されていたICAA(International Civil Airports Association)が統合してできた、世界の空港や空港ビルの管理者・所有者を会員とする非営利団体、とのこと。

この認証制度には、以下のような達成基準があり、6段階の認証レベルを得ることができるようになっています。

1:Mapping
2:Reduction
3:Optimisation
3+:Neutrality
4:Transformation
4+:Transition

成田はレベル3、関西エアポート(関空・伊丹・神戸)はレベル4です。
ちなみに、レベル4+はダラスやヒースロー、ストックホルムなど14空港。
以前関西エアポートの担当者と話をしたことがありますが、なかなか達成するのが難しいそうです。

このACAでは、「Optimisation」でスコープ1・2および「Transition」でスコープ3の削減できない分をオフセットすることができます。

使うことができるクレジットは、以下のようです。

• Clean Development Mechanism(CDM)
• Verified Carbon Standard(VCM)
• Gold Standard(GS)• Climate Action Reserve(CAR)
• American Carbon Registry(ACR)
• UK Woodland Carbon Code (for UK-based airports only)
• Label Bas Carbone (for French airports only)

下の2つはフランスとUKのみなので、4つですね。

また、使用できる方法論もかなりあまあまで、

・原子力
・燃転(例えば重油→LNG)
・産業ガス(例えばHFCなどの回収)
・石炭鉱山でのメタン回収

以外であれば、基本OKのようです。削減系もOK.

リストにはありませんが、もちろん、吸収系はウェルカムのようです。例として、Social Carbon(SC)やVerraのCCBSが挙げられていました。こちらは、明確にどのクレジットだとOKという記載はないです。

なお、使用できるクレジットは拡充されていくとのことで、自主的な申請も大歓迎だとか。なので、特に、J-VERとか、Jブルーとかも手を挙げてもいいかも。

あと、オフセットしたい日から起算して5年以内に発行されたものである必要があり、無効化処理も必須です。

その他、ボランタリークレジットに要求される原則に則っていることとありますが、そもそも、上記のクレジットであれば問題ないでしょう。

プロジェクトの実施場所も縛りは無いものの、例えば、途上国で就航している空港の近くだとベター、みたいな記述はありました。

CORSIAを見てきた人間からすると「ゆるいな〜」って感じですが、CORSIAは「Mandatory」であるのに対し、ACAは「Voluntary」。当然ですね。

国内の空港で認証を受けているのは、上記のように成田と関西のみです。
自社で「やってます」とPRしても、信憑性に乏しい。
やはり、第三者のお墨付きを得たいところ。

吾こそは!という空港会社様。
認証にチャレンジしませんか?
トコトン応援いたしますよ〜


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