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CDP2022スコアが発表されました

CDPが、気候変動質問書の対象企業を、プライム市場上場全社に拡大するというビッグニュースで始まった、CDP2022。

初めて対象となって質問書が送付されてきた企業にとっては、移行だけでも大変なところ、対応に苦慮したのではないでしょうか。

今年回答できなかった企業も、来年はチャレンジしてみましょう。
CDPに回答することにより、TCFD及びSBTiが要求する開示を行ったことになりますし、複数のステークホルダーからの開示請求に対して個別に回答する必要もなくなります。

CDPウェブサイトより

そのベネフィットについては、何度かお伝えしてきました。

23年から、CDPは、ISSB気候関連開示基準をそのグローバルな環境情報開示プラットフォームに統合するという内容も、エポックメイキング。ますます、目が離せなくなりました。


ということで、話題満載だったCDP2022。
12月13日にスコアが発表されました。
7月に締め切られてから、首を長くして待っておりました。

結果からすると、世界全体で、気候変動/フォレスト/水セキュリティの何れかでAリストに認定された企業数は330社以上、そのうちの日本企業は91社で最多だったそうです。

さらに、それぞれの部門においても、日本企業が世界最多とのこと。
これじゃぁ、環境を謳う日本のグローバル企業は、Aリスト入りが当たり前になってしまいますよね。回答に対する傾向と対策を行うコンサルが活況を呈するのも宜なるかな。

地域別に見ると、欧州が156社で最多。
アジアは120社ですが、そのうちの91社、75%は日本なんですね。
個人的には、アフリカを応援してあげたいです。

全体を見てみましょう。

開示要請に応えた企業数は、着実に増えていますが、気候変動においては指数関数的な伸びですね。ただ、水セキュリティは2009年、フォレスト2011年開始ですから、要請がそもそも少ないという要因もあります。

なお、AからD-のスコアを獲得した企業数は約 15,000社とのことなので、相当数の企業が「F」ランクだったのでしょう。

とはいえ、環境問題はそれぞれ相互に関連しており、同時に解決に取り組む必要があるところ、3つの質問書全てに対する開示に応じ、トリプルAを獲得した企業は、日本企業の花王を含むわずか 12 社(3テーマ について要請を受けている企業全体の1.3%)だったそうです。

加えて、環境問題の解決には、透明性を高め、アクションを促進する必要があるものの、2021年のスコアがD-からA-の企業のうち66%は2022年のスコアに改善が見られなかったとのこと。

CDPは、計画に基づいた着実で継続的な改善を求めています。そのために、スクリーニングによって大まかでも全体の排出量を把握し、ホットスポットを特定。優先順位をつけて削減活動を行うことを推奨しています。その点が評価されるのです。

また、フォレストAリスト企業の数は4%の増加にとどまっており(昨年と比較して 1 社増加)、水セキュリティに至っては残念ながら12.7%減少したそうです。(2021 年の 118 社から 2022 年の 103 社に減少)


11月のエジプトはシャルム・アル・シェイクで開催されたUNFCCC/COP27に引き続き、12月にカナダのモントリオールでCBD/COP15が開催されました。

環境NGOや国際イニシアチブは、持続可能な世界の実現、サスティナビリティへ舵を切っているところ、気候変動一辺倒では、もはや、ステークホルダーは評価してくれなくなります。

繰り返しお伝えしているように、情報開示に当たっては、来年以降統合が進み、以前よりも対応しやすくなります。いち早く目標を設定し、計画を立て、具体的な行動につなげていきましょう。

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