ISSB Update 検討は次のステップへ
前回状況をご案内してから早2ヵ月、正式リリースとしている6月末が、1ヵ月後に迫ってきました。
状況はいかに?と思っていたところ、先般ウェビナーで、ISSB東京事務所の小森理事の基調講演を拝聴する機会がありました。
理事曰く「デッドラインに向け、急ピッチで進行中」とのことでした。
まぁ、聞くところによると、エマニュエル・ファベールISSB議長がインタビューで、「6月末には」と口を滑らせたことが発端で決まったとかで、一同「ビックリ」だったとの噂。トップが言ったことなので、従わざるを得ません。鋭意推進中というのは、本当の話でしょう。
リリースから半年の周知期間を経て、24年1月から発効というのは決定済。
なので、企業側も「直ちに対応しなければ」と焦るところでしょうが、ご心配なく。
1年間の救済措置がとられるようですから。
と言いますのも、ISSBの前身となるSASBの国際適用性プロジェクトが進行中という現状も関与しています。これについても、以前ご案内しました。
つまり、まだ必ずしもSASBからISSBへの移行が完了していない状態では、「shall consider(しなければならない)」とはできないということ。それまでは、「should consider(こうりょすべき)」に留めておかざるを得ないと考えているということです。
ようやく、パブコメが始まった状態なので、あと数年はかかるのでは?
まぁ、そこまで待つ訳には行かないということで「1年間」なのでしょう。
とは言え「必ずしも正確性を求めていない」と小森理事。
それよりも、開示を要求することで、企業のスタンスを確認するものだと。
「やる意欲があるか」が試されるということなのでしょうか。
金融機関には、投資先へのエンゲージメントが求められていると言えます。
もう、非財務情報と財務情報は同等です。
本業の一部と考えるべき段階に来ているのですね。
今こそCEOがリーダーシップを発揮するときでしょう。
さて、S1及びS2についてはリリースを待つばかりですが、ISSBは既に次のステップへ軸足を移しています。
22年12月、S1・S2に続く開示項目基準として、次の4つを暫定決定した旨公表済みで、コンサルテーションも開始しています。
実は、EFRAGにも依頼していた模様。
5月9日のミーティングで議論されていました。
SASBの国際適用性プロジェクトもそうですが、このようにEFRAGという欧州のサステナビリティ開示の法規制を担当する組織とも協調するという姿勢は、称賛したいです。「ダブルスタンダードにはしない」という強い意識が感じられます。
S1・S2が、これらのコンサルテーション結果を受けて変更されることはないと明言していますので、実務的には、6月末の最終版に従って開示の準備をすればOKです。ただ、ISSBはS1・S2は始まりであって、通過点であると考えていることは認識していましょう。
もう、非財務情報、財務情報という区分けはなくなるのです。
検討の進捗については、このnoteでキャッチアップしていきます。
是非とも、フォローして頂けたらと思います。
やる気の出方も、全然変わりますし(笑)
よろしくお願いします。