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ブルー推しの国交省に期待大

いつもは、新橋の会議室で開催されるBERGの勉強会。
今回は、プロジェクトが実施されているサイトの一つ、神戸市で開催。
現地の様子は別にお届けしていますので、よろしければ参照下さい。

ちなみに、具体的な活動内容は、こちらを参照下さい。

今回は、その後、場所を移動して行われた勉強会についてお届けします。
視察は40名程度でしたが、こちらは、想定以上の80名。
これは、新橋開催と同等の参加人数。

神戸市や兵庫県など地元自治体はもちろんのこと、中国・山陰地方から参加されていた方が多かったことを鑑みると、地方開催の意義は大きいですね。

なお、会場となったのは「神戸酒心館」の「酒心館ホール」
酒心館さんは、兵庫運河のJ-ブルークレジット購入事業者の一つです。
酒造りには、よい米「山田錦」とよい水「宮水」が重要、ということで、その水を守る取り組みの一つして、ご購入頂いたのでした。

議題はこんな感じ。(再掲)
盛り沢山で、とても全てをお届けできませんが、国交省の取り組みが一番興味深かったので、こちらを詳しくご案内したいと思います。

注目は、気候変動枠組条約事務局への日本国温室効果ガス排出量インベントリ報告に、2024年から、藻場・海藻による吸収量が35万トン盛り込まれたことでしょう。

桑江さんによると、500万トンのポテンシャルがあるとされているところ、2050年断面では、残余排出量が5億トンほど残る試算なので、ブルーだけで「中和」すると仮定すると、現状の100倍くらい必要となります。

まぁ、グリーンやCDRなど他の選択肢もありますが、いずれにせよ、相当の取り組み強化が必要。そのため、国交省として「命を育むみなとのブルーインフラ拡大プロジェクト」として、次の3つの施策を推進するとのことです。

1.全国海の再生・ブルーインフラ賞
2.算定手法の検討
3.環境保全配慮の義務化

1.は去年から実施しており、「国土交通大臣賞」に輝いたのが、今回訪問した「兵庫運河の自然を再生する活動」だったのでした。

「みなと総研賞」には、阪南市の「はんなん海のゆりかご再生活動」が受賞しており、関西における、海を守る取り組みの活発さが伺えます。

2.は具体的には、次の2つ。

実際J-ブルークレジットを申請しようとする場合、ネックとなるのがデータ収集。とはいえ、プロジェクト実施者は、漁協や地元自治体、団体等なので、「ヒト・モノ・カネ」の無い無い状態。

それを、もっと簡便にできるようにするための施策です。

a.ブルーカーボン高精度データ把握・管理システムの開発及びGHGインベントリへの活用
b.ブルーカーボンデータ計測マニュアル研究会

a.はどういった内容かというと、いずれも国や研究機関でなければできない、次のようなもの。技術開発に併せて、コスト削減もよろしくです。

・水中透過性の高いグリーンレーザーを搭載したドローンの開発
・準天頂衛星等の測位技術の活用
・取得データのリアルタイム集約

b.は計測方法を検討し、その仕様を一般に公開するというもの。
この仕様に基づいていれば自由な開発が可能になりますので、複数のメーカーによる参入が期待できます。コスト削減に寄与してくれるでしょう。

3.は、まぁお上の力を使った、力業。
例えばとして、次のような施策を考えていると説明されました。

・港湾カーボン・ニュートラル普及促進試行工事
・ブルーカーボンの買い手を増やす
・藻場が形成される場所を作る

「買い手を増やす」とは、入札時に仕様書に盛り込むといった強制的なものや、入札案件などで加点ポイントにする、ブルーエコノミーに資する活動を評価する、などが考えられるでしょうか。

ブルーカーボンは、世界的にも注目されていますし、政府としても「推し」ているテーマなので、国交省としても、錦の御旗の下、推進しやすいはず。是非、口だけ番長でなく、行動で示してほしいものです。

ということで、BERG勉強会のテーマの一つ、国交省の取り組みについて簡単に説明しましたが、いかがだったでしょうか。

個人的には、ブルーカーボンと言えば「マングローブ」が主流の中、「藻場・養殖」のブルーカーボンを日本発で発信すべく、外務省・国交省・農水省・経産省・環境省そして日本政府、言い古された言葉を使えば「オールジャパン」で推進してもらいたいところです。

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