シンCDP始動?!プラットフォームの矜恃
CDPについては何度もご案内しており、つい先日も「デフォルトの情報開示プラットフォームとしての地位が危うくなったのか」といったテーマで採り上げました。
この中で、次のようにお伝えしていました。
このように、若干ネガティブウォッチし始めたところに、CDPから直メールが届きました。当方はパートナー企業と協業していることから入手しましたが、回答企業の皆様の元にも届いているのではないでしょうか。
変化し続けなければCDPの存在意義が失われることは、十分認識していますということでしょう。改善・改革の方向性は「回答企業の期待に添うこと」「使い続けてもらうこと」であり、上述した私の指摘の回答と言ってよいものでした。
具体的な内容は、次の通りです。
何と言っても、3つに分かれていた質問書の再構築。
重複内容を減らして、一つの統合質問書にするというもの。
歴史の長い気候変動は約18,700社が回答しているのに対して、後発の水セキュリティ及びフォレストは、圧倒的に数が少ない。
気候変動以外は他で調べなければならないというのであれば、必要な情報を「ワンストップ」で提供する「デファクトプラットフォーム」とは言えないですよね。
ただ、それによって負荷が増えるのであれば、気候変動のみ回答していた多くの企業から大クレーム。なので、「質問書の再構築」はマストでした。
「各国の規制で求められる以上のメリットを提供するので、是非とも、ご協力をお願いします」ということです。
「質問書の再構築」は、主に、回答作業のストリームライン化のようです。
この中で一番嬉しいのは、「安定性向上」ではないでしょうか。
夏休みの宿題よろしく、提出が締切直前となる企業が多数にのぼる中、ORSの不安定さについては、皆さん遭遇されたこともあるかと思います。今年こそ早めにアップロードしようと思っても結局….アルアルですよね。
また、回答の原案の作成は各担当者へ割り振っていながらも、ORSへの入力は主担当が一括で行っている企業も多いでしょう。
これについても、どのように、共同作業できるようになっているのか。期待して待っていましょう。
このような大改革を行いますから、回答スケジュールも変更されます。
24年については、提出期限は7月末ではなく9月末と、2ヵ月後ろ倒し。
とはいえ、「再構築」するということは、質問内容が大幅に変更すること。余裕は逆に狭まっていると考えて、身構えておきましょう。
内容はともかく、このような大幅な変更がある旨を、関係各所へ早めにアナウンスしておき、心構えをしておいてもらいましょう。
なお、質問内容は統合されますが、気候変動、フォレスト、水セキュリティ、それぞれ3つのスコアが付与されるそうです。これまでAスコアだった企業が、新スコアではどうなるのか。担当者としては、戦々恐々でしょうね。
ということで、CDPが世界中で進む情報開示変革の中、足場固めに入ったのではないか、というお話でした。
新しい情報が入り次第、お届けしますね。
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