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Airport Carbon Accreditation(1)

Airport Council International(ACI)が実施している「Airport Carbon Accreditation(ACA)」皆さん、ご存知でしょうか。

ACIは、1991年に設立された、世界中の空港運営者を代表する国際的な業界団体で、現在では約2000の空港が加盟。空港の安全性、効率性、環境への配慮、持続可能な発展を促進するために、業界基準の策定やロビー活動、情報共有などを行っています。

そのACIが、空港のGHG排出削減推進のために実施している国際的な認証プログラムがACAで、排出量を測定、管理、削減する取り組みを段階的に評価し、認証するもの。空港が気候変動対策を強化し、持続可能な運営を目指すための指針を提供することを目的にしています。

以前ご紹介したことがありますので、覚えていらっしゃる方がいるかも。

この時は、Level1〜4+までの、6段階でした。

1:Mapping
2:Reduction
3:Optimisation
3+:Neutrality
4:Transformation
4+:Transition

その後、一昨年のCOP27で、ISOがNet Zero Guidelines IWA 42:2022をリリースされたこともあり、「ネット・ゼロ達成」のコミットを要請する「Level 5」が追加されました。

IWA 42については、こちらのnoteで紹介しています。

従って、現在はLevel1〜5、Level3とLevel4にそれぞれ「+」がありますので、計7段階で認証が行われていることになります。

Application Manual 9ページ

それぞれの要求事項については、こちらによくまとめられています。

まず算定対象で言うと、Level1と2はスコープ1・2のみ。
Level3は、それに加えて空港毎に選択したスコープ3。
Level4は、「関連する」スコープ3を全て含むとあります。

Application Manual 9、10ページ

ただ、GHGプロトコルのスコープ3が全て含まれるという訳ではなく、具体的には、下図のようなカテゴリーが対象となります。

Short Guide to Airport Carbon Accreditation 5ページ

目標設定は、Level3までは総量と原単位いずれもOKですが、Level4以上は総量目標が必須で、長期の1.5℃もしくは2℃目標経路に合致している必要があります。Level5となると、SBTiにおけるネット・ゼロ目標が要求されます。

Level3と4は、いずれもスコープ3の排出量も算定対象となることから、サプライヤー連携が必要となりますが、Level3では「Engagement」、Level4では「Partnership」が要求されます。

簡単に言うと、「Engagement」は「お願い」ベースでOK。「Partnership」は、目標を設定して協力して排出削減することまで求めるもの。つまり、Level4では、具体的な削減行動を起こさないとダメ、なのですね。

さて、Level3と4に設定されている「+」は、それぞれのレベルで「Neutrality」を要求するものです。つまり、算定対象となる排出量を、クレジットの購入により「中立」とするもの。

そこで気になるのは、どんなクレジットだったらOK?ということでしょう。クレジットについては、私の「ライフワーク」ど真ん中ですので、回を分けてご紹介していきたいと思います。

お楽しみに。

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