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本日より、COPが始まりますね〜

1年に一度のお祭り(?)COP28が11月30日より、UAEのドバイで始まります。
12月12日の最終日に向け、1日のレストを挟んで、2週間の日程。
非国家アクターのプレゼンスも高まっており、サイドイベントも大盛況。
年々入手困難となるパスをゲットできなくても、行く価値はありそうです。

エジプトのシャルム・アル・シェイクで開催されたCOP27に引き続き、COP28のパスもゲットできなくて残念ですが、リモートでも極力参戦しようとスケジュールを確認していたところ、例年と若干異なっていることに気づきました。

これまでだと、2週間の期間中、1週目は各国交渉官による事務レベル協議が行われドラフト作成、2週目は各国の首脳級レベルのリーダーが参集、最終的な成果文書作成へ向けて詰めの協議を行うのが通常でした。

なので、「2週間も行ってられないぜ」と、第2週目だけに参加する方も多かったのではないかと推測します。まぁ、1週目も、盛り沢山のサイドイベントが開催されますので、価値は十分あるでしょう。

COP27のときは、noteでも紹介しておりました。


延長が既定路線なので、「時間切れで、歴史的瞬間に立ち会うことが叶わず、泣く泣く帰国の途につかざるを得なかった」という話もよく聞きます。

ですが、今年のCOP28では、開幕直後の12月1日2日に首脳が集まるとか。

COP28 Presentation Thematic Daysより

岸田首相も出席予定のようですね。

いつもは、最終日へ向けてヒートアップするところ、今年は、冒頭に各国リーダーがスタンスを発表、その後、それぞれの交渉官や環境相が交渉を重ねるスタイルとなるようです。

世界が注目するのは、やはり、第6日目12月5日でしょうか。
この日のテーマは「Energy and Industry/Just Transition/Indigenous Peoples」
気候変動とエネルギーは、切っても切れませんからね。

この日に向けて、非国家アクターも大々的にイニシアチブを発表するかも。
既存のイニシアチブのアップデートも見逃せません。

COP28 Presentation Thematic Daysより

個人的には、12月9日の「Nature, Land Use, and Oceans」

COP28 Presentation Thematic Daysより

昨年「Oceans」が決定文書「Sharm el-Sheikh Implementation Plan」に盛りこまれていますので、期待大です。

ブルーカーボン推しの私としては、目が離せません。

加えて、12月10日の「Food, Agriculture and Water」にも注目したい。
農業、特に稲作によるメタンの放出や、フードロス/ウェイスト、水セキュリティも喫緊の課題であり、どのような成果が見られるか見守りたいところ。

COP28 Presentation Thematic Daysより

その他のスケジュールは、このようになっています。
関心のあるテーマの日は、どっぷり浸ってみるのはいかがでしょう。
ちなみに、時差は5時間です。

COP28 Presentation Thematic Daysより

ところで、COP28の開催地がUAEという主要な原油生産国で実施されることに加え、議長がスルターン・ビン・アフマド・スルターン・アール・ジャーベルUAE産業・先端技術相兼アブダビ国営石油会社(ADNOC)最高経営責任者(CEO)となったことから、各所から様々な批判がなされていました。

ジャーベル氏は、世界有数の石油会社のCEOである一方で、UAEの気候変動担当特使や、アブダビに拠点を置く再生可能エネルギー企業マスダールの創設者・会長でもあるなど、UAEの気候変動対策における中心的人物。環境危機に対する世界的な取り組みに大企業が介入すると懸念されてきました。

そのジャベール氏、開催を前にして各国へ向けて「今世紀半ばまでに排出削減対策の講じられていない化石燃料から脱却する未来のエネルギーシステムに向け、取り組まなければならない」とするレターを出しました。

世界の再エネ導入量を3倍、2030年までに110億kWに拡大すると共に、エネルギー効率を世界年平均で2倍にする必要があるとも指摘しています。

UAEには数回赴いたことがあり、環境技術の粋を集めて建設した、マスダールシティを訪問したこともあります。
また、いつまでも化石燃料に頼ってはいられないことは、非産油国よりも切実に認識しており、急速に脱化石燃料を図っていると認識しています。

様々な下馬評を覆すような成果文書が出てくるのでしょうか。
期待して待ちたいです。

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