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サウジアラビアを視察してきました(その六)

マダインサーレを堪能した後は、イスラム教の聖地の一つ「メディナ」へ4時間半をかけてのバス移動だったのですが、その途中、壮大な景色を目の当たりにすべく、標高1,219mの台地上にある展望台「Karrat Viepoint」へと足を延ばしました。

アルウラの標高が700m弱ですので、500mほど上ることになりますが、このように、街の背後にそびえ立っているので、道路は相当の急勾配。ツアーバスではムリで、4WDに分乗して向かいました。

Google Earth

ここで、簡単に、アラビア半島の成り立ちを紹介しておこうと思います。

というのも、皆さんがここを訪れると、もちろん大感動だと思いますが、「何故こんな地形が」というクエスチョンも抱くと思うからです。

上記衛星写真のように、アルウラは、周囲をこのような台地状の地形に囲まれています。また、アルウラ自体も700m(ちなみに、リヤドは約600m)と比較的高地にあります。なので、砂漠とはいえ、皆さんが想像するような灼熱地獄とは、若干イメージが異なると思います。

何故かというと、アラビア半島とアフリカ大陸は遠い昔は一体となっていたところ、約2500万年前からアフリカプレートとアラビアプレートが分離し始め、それに併せて地殻が引っ張られた結果、破断し、その結果、地殻の一部が持ち上げられたとされます。

簡単に言うと、一体となっていた大陸が引っ張られて隆起し、パカーンと割れた結果、現在のアラビア半島とアフリカ大陸が生まれ、裂け目に紅海が形成されたということです。

なので、アラビア半島は総じて、西側が標高が高く、東へ向かって低くなる台地状の地形となっているのです。リヤドは半島のほぼ中央、ナジュド高原にあるので比較的標高が高く、内陸部のため乾燥しているんですね。

ちなみに、紅海がエメラルドグリーンの美しい海で、ダイバーのメッカとされているのも、周囲の標高が高く、非常に乾燥しているため、注ぎ込む川がないからです。紅海はその美しいサンゴ礁や多様な海洋生物で知られており、この豊かな海洋生態系を守っていきたいものです。

グランドキャニオンもそうですが、隆起すると位置エネルギーが大きくなるため浸食を受けやすくなります。ここアルウラも同様で、主に砂岩・泥岩・頁岩の互層による選択的風食を受け、上記Google Earthを見てお分かりのような、特異な景観ができあがったと言うわけです。

蘊蓄はこれくらいにして、展望台からの眺めを紹介しますね。
2010年も訪問していますので、比較してご案内します。

上:2020年 下:2024年

中央がアルウラのダウンタウンですが、目立った変化はありません。

上:2020年 下:2024年

こちら側からは、オールドタウン及びアルウラ郊外が見えていると思いますが、オアシス周辺の緑が若干減っている程度かなと。こう考えると、開発が進んだのは、マダインサーレ周辺だけなのかもしれませんね。

展望台周辺は、劇的に変化していました。

トイレや駐車場の整備は当然として、瀟洒なレストランもありました。
砂漠に沈む夕陽を見ながらディナーなんて、なんと素敵な!
アルコールはありませんので、帰宅の足も問題無し。
ただ、相当のお値段になるのは覚悟しましょう(^_^;)

なお、2010年訪問時は、本当に何も無かったので写真すら撮っておりませんでした。ガイドさんとの記念撮影したこちらの写真で、当時の様子がお分かりになるかと。(転落防止のため、岩が積んであるだけでした)

2010年訪問時の著者とガイド

最後に、NEOMの「THE LINE」を想起させるような、度肝を抜かれる施設がありましたので、ご紹介しましょう。

何と、全面ガラス張りなのです。

コンベンションセンターとのことで、コンサートホールや博物館が入っているらしいです。残念ながら、この日はイベントが開催されていて入場は叶いませんでしたが、万華鏡を覗いている気分で楽しめました。

これからは375kmの道のりを、バスで4時間半かけてメディナへ。
これまた、大変貌を遂げた、第二の聖地の様子をお届けしようと思います。
乞うご期待。

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