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算定実務者必須データ&レポート

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算定は、データ収集及びレポートの通読が全て。一次データから二次データ。レギュラーもあればイレギュラーもある。忘れそうなそんな時、このマガジンがお役に立ちます。お役立ちサイトも紹介…
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#算定

サステナ担当悩みどころ(1)

算定は毎年行って行きますので、否が応でもスキルは向上していきます。 なので、疑問質問といった悩みどころは減っていくかと思われるところ、実は逆に増えてしまう、といったことを経験している方も多いのでは? というのも、当初は言葉の意味すら分からず、算定ルールも分からず、使用するデータが何か、社内のどこにあるかも分からず、といった「何が分からないか分からない」状態から始まります。 以前からサステナ担当であれば、GHG排出量の算定に限って学んでいけばよいのですが、全くの他部署から配

算定担当必須データ~エネルギー需給実績(1)

GHG排出量の算定を担当しているのであれば、国が発表する次の3つのデータは必ず抑えておきましょう。 1つ目は、温対法による報告内容を反映させたデータで、12月頃に速報、翌年4月頃に確報が公開されます。 時系列毎のデータも提供されますが、「記者発表資料」へ飛ぶと、概要がPDFで掲載されていますので、こちらを参照して、全体を把握するのがよいでしょう。 2つ目は、日本国が、UNFCCCの条約事務局へ提出するものです。 第4条1及び第12条1に基づいて、附属書I締約国(いわゆ

一次データと二次データ

「些細だけど重要なことを突っ込んで説明するシリーズ」第2弾をお届けします。 今回は、まさに算定の現場、担当者が直面するであろうテーマです。 ご案内しようと思ったきっかけは、「私たちが、適当に行った(最善を尽くしたけど、精度は必ずしもよくはない、という意味です)算定結果が、お客様のところでは、一次データになるんですよね」という何気ない質問でした。 皆さんも、思ったことがあるのでは? 逆も真なりで、「サプライヤーから入手したけど、結局、適当なのでは?」 「自分たちがいくら精

GHGプロトコルの矜恃

算定に携わっている方が一番お世話になっているガイドラインと言えば、GHGプロトコルでしょう。(直接的にはお世話になっていなくても) スコープ3の算定では、法律の建て付けで考えると 法律:コーポレート基準 施行令:スコープ3基準 施行規則:テクニカルガイダンス のような感じ。実務ではガイダンスを参照していくことになると思います。 この他に、特定のセクター向けのガイダンスも整備しています。 GHGプロトコルは、組織、企業、セクター横断的に利用可能とするために、極めて一般

排出量算定従事者マストデータ〜その5

「日本国温室効果ガスインベントリ報告書」をテーマに書いてきましたが、5回目まで来てしまいました。数式やらが多くなるので、分けて書いていたところ、回数が増えてしまいました。すみません。 1〜4はこちらです。 1次データが得にくいのはスコープ3の各カテゴリー共通の課題ですが、その中でも、廃棄物は入手困難。だからこそ、切り込んでいきたい。 そのために、IPCCガイドラインに沿って日本のインベントリを算定している報告書で勉強している最中でした。 5つの算定対象のうち、D.排水

排出量算定従事者マストデータ〜その3

「日本国温室効果ガスインベントリ報告書」をテーマに3回目 廃棄物分野からの排出量を減らしたい!という気持ちをお伝えしました。 そのためには、1次データを捉え、自社の排出係数を算出することが必要。 こちらの報告書は、IPCCにより作成 された「国家温室効果ガスインベントリのための 2006 年 IPCC ガイドライン」に基づいて算定されており、報告書には算定の過程が記載されています。 といっても、日本大で集計されている公式の統計値を用いた「推計」ですので、自社の算定には当て

SBTi参加企業数 新たなフェーズへ

5/12に、SBTiが年次レポートをリリースしました。 参加企業数 2,253社 認定企業数 1,082社 (2021年12月31日現在) レポートでは「指数関数的増加フェーズに入った」としています。 これを見ると、一目瞭然ですね。 20年から21年への伸びは2倍、世界経済の時価総額の1/3を占めるとのこと。 その流れは留まるところを知らず。 これが、2022年5月19日現在では、こうなっています。 まだ半年も経っていませんが、21年末と比較して、 参加企業数 3