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算定と検証の実際

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躓きやすい算定ルールや検証の現場の話を紹介します。
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#非化石証書

証書とクレジットを使用した温対法報告について

非化石証書を購入できるのは、これまで電気事業者のみだったところ、21年度第2回目から、需要家や仲介者も購入できるようになったのは、皆さんもご承知のことと思います。 2月、5月、8月、11月の年4回、JEPXで入札が行われており、noteでも、都度ご報告してきました。 調整後排出量として報告できるのがメリットではありますが、「他者から供給された電気又は熱の使用 に伴って発生する二酸化炭素の排出量を上限に控除できる」となっていますので、ご注意下さい。 日本での「カーボン・

スコープ2算定 証書の活用方法は?

温対法の報告期限である7月末日を控え、データの収集・整理、算定に忙殺されている担当者の方も、多いのではないでしょうか。 CDPの方は質問書に大幅な変更があったため、例年の7月から9月へと締切が後ろ倒しされたとは言え、新しい質問に対応する負荷を考慮すると、一息つくどころか、逆にタイトなスケジュールになっているかと思います。 温対法は「法律」ですから、「対象となる排出活動」が限定されており「算定方法」と「排出係数」が詳らかにされています。(遵守しなければ罰則ですから当然ですよ

スコープ2に続いてスコープ1でも証書活用

これまで、非化石証書の扱いについては、何度かご案内してきました。 簡単に言うと、購入した証書の分を自社の排出量から差し引くものですが、他者から供給された電気の使用に伴う排出量を上限とするものです。 この時に想定していたのは、「非化石燃料」により発電された電力でした。 なので、間接排出量、スコープ2でした。 今回ご案内するのは、「非化石燃料」の燃焼による熱の話です。 その熱の使用による環境価値を証書化し、非化石電力証書と同じように流通させましょうという話です。 合成メタ

SHK制度における排出係数の調整について

省エネ法及び温対法の報告期限が7月末に迫る中、担当部署はデーター収集及び整理に多忙な毎日ではないでしょうか。 義務化されている、毎年1%の原単位削減も達成できているか否か、集計してみて初めて判明する現実もあることでしょう。 SHK制度は国内法に基づいて実施され、国内のエネルギー使用量及び排出量を削減することを目的としていることから、以下のカーボン・クレジット等を用いて「調整後排出量の調整」を行うことができます。 国内認証排出削減量 ・国内クレジット ・J-VER ・J-

排出量算定〜スコープ2 間接排出 ③

「削減系クレジットは使えない」 これまでも、何度かご案内してきました。 「既存のものから置き換えるのであれば、このレベルの機種を選択しますよね」という機種を選ぶでしょ?だけど、それよりも、遥かに効率がよい機種を導入するので、さらに削減できます。 いやいや、全く新しい技術を使った最先端の製品を導入するので、圧倒的に削減できます。 な〜んて言って、従来品(BAU:Business As Usual)との差分を「削減量」としてクレジット化したものが、「削減系クレジット」でし

排出量算定〜スコープ2 間接排出②

コーポレート基準におけるスコープ2算定ルールを、補完・改訂する形で「スコープ2ガイダンス」がリリースされていることを、前回お話ししました。 その内容で、算定の際、知っておいた方がよいポイントをご案内。 1.自家発と購買電力の両者を使う場合 自家発による燃料使用→スコープ1 購買電力量→スコープ2 あまりにも簡単ですが、これは「しなければならない(shall)」です。 「差し引きの電力量」をスコープ2で報告すれば? ちょっと詳しく知っていると、思ってしまうかもしれません