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算定と検証の実際

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躓きやすい算定ルールや検証の現場の話を紹介します。
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2024年2月の記事一覧

審査?検証?どうちがうの?

審査(Audit)と検証(Verification)に違いを認識して使い分けている人は、どれくらいいるのでしょうか。ISOの方が歴史がないため「審査」の方が馴染みがあり、GHG排出量においても、同じように使っている人が大半だと思います。 質問されることも多くなってきましたので、簡単に説明しておきますね。 最初に、ISOは「審査」であり、GHG排出量は「検証」と称呼することを抑えておいて下さい。 区別・整理の仕方は様々ですが、個人的には以下のように考えています。 ちがい 

サステナ担当悩みどころ(1)

算定は毎年行って行きますので、否が応でもスキルは向上していきます。 なので、疑問質問といった悩みどころは減っていくかと思われるところ、実は逆に増えてしまう、といったことを経験している方も多いのでは? というのも、当初は言葉の意味すら分からず、算定ルールも分からず、使用するデータが何か、社内のどこにあるかも分からず、といった「何が分からないか分からない」状態から始まります。 以前からサステナ担当であれば、GHG排出量の算定に限って学んでいけばよいのですが、全くの他部署から配

バイオマス発電の悩みどころ

バイオマス使用によるGHG排出量については、算定ルールによって取り扱いが異なっていることは、皆さんご承知かと思います。 算定した上で別途報告であったり、カーボンニュートラルとしてそもそも算定不要(算定対象外)だったり。 直接排出では、例えばSHK制度では、CH4及びN2Oの対象となる排出活動として「バイオマス燃料の使用」があります。それでなくとも、事業者が「バイオマスを使用している」という認識があるので、必要であれば算定できるところでしょう。 他方、間接排出、つまり電力