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排出権取引の現在地

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カーボンプライシングの1つ、排出権取引。世界を見渡すと、EUや中国、韓国、ニュージーランドなど、幅広い国で実施され、着実な効果を上げています。日本で検討されているGX-ETSはど…
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#非化石証書

非化石価値取引結果 23年度第3回

23年度3回目となる非化石価値取引市場の取引結果が、2月29日までに全て出揃いました。(約定日は、非FIT(再エネ指定無し)、非FIT(再エネ指定)、FITがそれぞれ、27日、28日、29日) 取引結果が公表される度にご案内しています。 前回の結果は、こちらを参照下さい。 まずは、約定量から見ていきましょう。 FITは継続的な需要があるところ、非FITは前回喪失した需要が戻らず。 従前この市場では、2つの異なる価値の調達のために証書が取引されていました。一つが小売電力事

リアルな地元を応援したい!

2021年11月より非化石価値取引市場の改革が行われ、次の2つの市場に分割されたことは、ご存知の方も多いでしょう。 再エネ価値取引市場は、FIT証書を取り扱牛場で、購入した証書分だけ、自社の排出量から控除することができます。環境省が発表する「電気事業者別排出係数」の「調整後排出係数」を算定する目的で使用されるので、元来需要が高い市場です。 改革前は、電気事業者しか購入できていなかったところ、「再エネ価値取引市場」では、需要家や仲介事業者も入札に参加して購入できるようになっ

非化石価値取引結果 23年度第2回

23年度初回となる非化石価値取引市場の取引結果が、11月30日までに全て出揃いました。(約定日は、非FIT(再エネ指定無し)、非FIT(再エネ指定)、FITがそれぞれ、28日、29日、30日) 約定量を見ると、FITが安定した伸びを記録したのに対し、前回ダントツに伸びた非FIT(再エネ指定なし)が激減、-99.998%。買い手が喪失しています。 落札率で見てみましょう。 こちらは、約定量/売入札量ですが、非FIT(再エネ指定なし)は、ほぼゼロ。ほとんど売れ残っているので

非化石価値取引結果 23年度第1回

23年度初回となる非化石価値取引市場の取引結果が、8月31日までに全て出揃いました。(約定日は、非FIT(再エネ指定無し)、非FIT(再エネ指定)、FITがそれぞれ、29日、30日、31日) 約定量を見ると、非FIT(再エネ指定なし)がダントツに伸びています。 FITも伸びていますが、伸び率では雲泥の差となっています。 他方、非FIT(再エネ指定)は逆に減っています。 ですが、落札率を見てみると、違う世界が見えてきます。 こちらは、約定量/売入札量ですが、非FIT(再エ

非化石価値取引市場取引結果斜め読み

JEPX(日本卸電力取引所)は、22年度第2回目の取引結果を公表しました。 取り引きはオークション形式で行われ、年度内に4回(8月・11月・2月・5月)実施されます。 この「非化石価値取引市場」および「高度化法義務達成市場」とからなり、取り扱っている証書は、それぞれ次のようになっています。 一般の事業者が、省エネ法の報告において、他者から購入した電力による排出量(間接排出量)を削減するために購入する証書は「FIT証書」です。 他方非FIT証書は、いずれも、高度化法の規

非化石価値取引市場 盛り上がってます

先週、21年度第4回目の非化石証書の開札が行われました。 21年度からは、FIT電源の非化石証書については、これまでの小売電気事業者に加え、需要家や仲介事業者も参加することが可能となりました。仲介業者の方がメインとなっているようですが、順調に参加者は増えています。 エネ庁のアンケートによると、回答事業者(52社)中、43社が145の再エネメニューを販売しており、そのうち約半数がFIT証書を用いたメニューとのこと。みなさんも、「再エネ電力」をPRする新電力が増えたことにお気づ