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非化石価値取引結果 23年度第2回

23年度初回となる非化石価値取引市場の取引結果が、11月30日までに全て出揃いました。(約定日は、非FIT(再エネ指定無し)、非FIT(再エネ指定)、FITがそれぞれ、28日、29日、30日)

約定量を見ると、FITが安定した伸びを記録したのに対し、前回ダントツに伸びた非FIT(再エネ指定なし)が激減、-99.998%。買い手が喪失しています。

落札率で見てみましょう。

こちらは、約定量/売入札量ですが、非FIT(再エネ指定なし)は、ほぼゼロ。ほとんど売れ残っているのです。

これが、約定量/買入札量を見ると、非FITは再エネ指定、指定無しいずれも、100%。なので、単純に買い手不足なだけ。

非FIT証書は高度化法を達成するために購入するもの。
23年度は、まだ2回残っているので様子見の事業者がいるかもしれないし、前回入札分で必要量は調達済みだったりするかもしれません。

ちなみに、FITは相変わらずの100%。
2021年第2回目から売買できるようになったのですが、初回から全て100%。
使い勝手がよくなってきているので、この傾向は続くでしょうね。

なお、落札率算出のベースとなった、売入札総量及び買入札総量はこちら。

JEPXは入札会員数及び約定会員数はこちら。

22年度第3回目(紺色)から急増しているのは、小売電気事業に加え、需要家や仲介業者も購入できるようになったためですが、FITについては、前回と比べても24人も増えております。証書の活用が認知され始めたのでしょうか。

入札に参加するにはJEPXの参加資格を有する必要があるので、コストがかかってしまいます。なので、明確に取引する意思がないと、普通は参加しません。約定会員数と入札会員数がほぼ同数になるのは、当然の結果かと。

価格については、FIT、非FITいずれも、それぞれ最低価格の0.4円、0.6円に張り付いています。(FITは前回から、最低価格が0.3円から0.4円に変更となりました)約定量/売入札量を見れば当然。市場原理が働いている証拠です。


さて、皆さんご存知のように、JPXが「カーボン・クレジット市場」を開設、10月11日から取引を開始しました。

将来的には、GXリーグの超過削減枠やJCMなども取り扱うとしながらも、まずはJ-クレジットのみが対象となっています。証書ではありませんが、再エネクレジットについては、目的が被るところがありますので、ウォッチしておくのもよいかと思います。

JPXウェブサイトより

売買の区分については、第三階層は指定できません。
試行事業において、当初指定できるようにしていたところ、売り手と買い手の要望がマッチせず、売買不成立が続出したためです。

第一階層は「J-クレジット」の他、「国内クレジット制度からの移行型」「J-VER制度からの移行型」等ありますが、無視してもらって構いません。

指定できるのは、「省エネ/再エネ(電力)/再エネ(熱)/森林」の4種類と考えておけば十分です。

開設当初は、市場参加者のシステムチェック目的等でそこそこ売買高があったりもしましたが、その後は、不成立が続きました。まぁ、これも想定内。

ここで、試行事業における知見を活用、「マーケットメイカー制度」の試行的実施を決定。まずは、2月29日までとしています。

試行事業では、売買促進のため、2つの矢を放っており、一つが前述の「売買区分の簡素化」、二つ目が、「政府保有のクレジット放出」でした。これにより、売り玉が増えたため、買い手の需要に合致したクレジットの量が増え、売買成立につながったのです。

今回は、この「売り側」対策に加え、マーケットメーカー制度という「買い側」対策も行うというもの。次の5社が指定されており、毎日、とにかく買入札をすることになります。

・住友商事株式会社
・大和証券株式会社
・丸紅株式会社
・株式会社みずほ銀行
・三井物産株式会社

クレジットや証書については、この他にも、民間企業が私設市場の開設に乗り出してきて、徐々に利用しやすい環境が整ってきています。

JEPXが年に4回行っているこの入札も、そのような多様なマーケットの影響を受けてくるものと思われますが、使い勝手はかなり異なります。

品揃えはもちろん、支払方法や無効化処理、調達量、RE100対応可否等々。
価格以外にも、自社にとっての優先事項を把握した上で、活用しましょう。

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