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排出権取引の現在地

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カーボンプライシングの1つ、排出権取引。世界を見渡すと、EUや中国、韓国、ニュージーランドなど、幅広い国で実施され、着実な効果を上げています。日本で検討されているGX-ETSはど…
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#スコープ3

GHG削減待ったなしです

2023年に突入しました。 2022年は、4月にnoteを始めたのが、個人的に大きな進歩。 というのも、これまで、個人的な発信をほとんどしてこなかったからです。 もちろん単発的にはありましたが、継続したことがありませんでした。 ただ、お客様の脱二酸化炭素化、持続可能な研究開発、地域活性化等を支援していく中で、その活動のコアとなる部分はほとんど共通しており、繰り返しご説明する過程で、かなりの程度蓄積され、もっと活用できるようにしたいと思い、重い腰を上げたのでした。 具体的に

CBAMは「危機」なのか

ここまで引っ張るつもりがなかった、CBAMネタ。 書き出したら長くなって、3回目。 最後に、日本企業への影響について考えたいと思います。 まず、First Stageでの5セクターでは、影響は軽微だと思います。 CBAM導入に当たっては、保護主義的でない、国際ルールに反しないことに最大限の配慮を払う姿勢を見せています。 そのためには、製造における排出量が明確に区別され、対象となる製品に帰属される必要があります。それに基づき、CBAM certificate を納付すること

国境炭素調整措置(CBAM)が気になります

前回のnoteで、国境炭素調整措置(CBAM)の導入が1年間前倒しされ、2025年から本格運用になる、という話をしました。リーケージを回避するという同じ目的で導入されていた「排出枠の無償提供」終了時が、2035年から2030年へこちらも前倒しとなります。 ですので、クロスフェードの開始時期が1年間前倒しとなることに加え、クロスフェード期間が4年間も短縮されることになりますね。 なお、この間も、無償提供からオークションへ排出枠の割り当て方も徐々にシフトしていきます。欧州委員

排出量削減の第一歩に最適です

旧い設備を最新の高効率機器に更新すれば、手っ取り早く、自社排出分であるスコープ1と2を減らすことができます。分かりきった話です。でも、その時に引っかかるのが、 イニシャルコストがかかる 効果が長続きしない 1.は当然ですよね。 「ランニングが下がるから」と言われても「先立つものが…」 「使える補助金があるんじゃない?」との声が聞こえてきそうですが、 「探す手間」「申請する負荷」が頭をもたげます。 2.もよく聞く話です。 更新翌年度は前年比で下がりますが、そこまで。 2