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排出権取引の現在地

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カーボンプライシングの1つ、排出権取引。世界を見渡すと、EUや中国、韓国、ニュージーランドなど、幅広い国で実施され、着実な効果を上げています。日本で検討されているGX-ETSはど…
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2022年4月の記事一覧

データ散歩〜排出量取引市場

便利な時代になりました。 居ながらにして、さまざまなデータを収集することができます。 もちろん、信頼性の高いデータを検索し、真贋を判断するスキルも必要ですが、コストをかけずに、簡単にレビュー、概観することができます。 そんなデータを、時々ご紹介していきたいと思っています。 今回は、世界の排出量取引市場をご案内。 これについては、環境省が「カーボンプライシングの活用に関する小委員会」の中で議論を重ねており、3月末には方向性を示したところです。 とはいえ、「排出量取引

排出量削減の第一歩に最適です

旧い設備を最新の高効率機器に更新すれば、手っ取り早く、自社排出分であるスコープ1と2を減らすことができます。分かりきった話です。でも、その時に引っかかるのが、 イニシャルコストがかかる 効果が長続きしない 1.は当然ですよね。 「ランニングが下がるから」と言われても「先立つものが…」 「使える補助金があるんじゃない?」との声が聞こえてきそうですが、 「探す手間」「申請する負荷」が頭をもたげます。 2.もよく聞く話です。 更新翌年度は前年比で下がりますが、そこまで。 2

GXリーグ基本構想

経産省が打ち出した「GXリーグ基本構想」 3月31日締切で賛同企業を募集していましたが、440社に達したとのこと。 排出量削減に貢献しつつ、外部から正しく評価され成長できるしゃかい(経済と環境および社会の好循環)を目指す。 としていますが、環境NPO/NGOをはじめ、産業界他から様々な不備・課題が指摘されています。クレジット及び排出量取引に携わってきた私からしてみても、同意せざるを得ません。 10年以上も議論を尽くしたじゃ無いですか。 声を大にして言いたいです。 環

環境価値の活用について

IHIと富士通は12日、CO2排出削減量などの環境価値を流通させるプラットフォームの構築で協業したと発表しました。IHIの見える化技術と、富士通のブロックチェーン技術を活用、削減量をトークン化したものを取引するとのこと。他企業や関係省庁、関連団体とも連携して利便性の高い流通用プラットフォームを目指すとしています。 しかし流通させる環境価値は「CO2削減量」であることに、注意。昨日のnoteで説明したように、SBT認定及びRE100には使えないからです。 SBTの長期目標に