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気候変動も生物多様性も〜持続可能な世界を目指そう

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双子の条約と言われる、「気候変動枠組条約」と「生物多様性条約」だけど、後者はどうしても分かりにくいですね。でも、持続可能な世界の実現には、避けては通れません。どちらも一緒に学んで…
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#EU

EUのマイクロプラスチック流失撲滅作戦

サスティナブルな社会の実現の文脈で、にわかにCircular Economy(CE)が注目されているのは、皆さんもご案内のところかと思います。 環境政策の最先端を走るEUにおけるサーキュラーエコノミーの原点は、2011年の「資源効率のロードマップ」かと思いますが、2018年のサーキュラーエコノミーパッケージ、2020年のサーキュラーエコノミーアクションプランと、変遷してきました。 その対策の中心は、これまた注目を集めている「マイクロプラスチック」 現在は、3本の柱で施策が

EUの反森林法成立、CBAMと同じ構図?

欧州では、反森林法(森林破壊により造成した農地で栽培された農産物を原料とした、パーム油、コーヒー、チョコレートなどの製品の販売を取り締まる法案)が議論されていて、来月23年5月にも発効するようです。 とは言いながら、恩恵に浴すると思われる国・地域から、保護主義だ、リーケージにつながる、零細農家を廃業に追いやる、対象地域・作物が差別的だと、批判されています。 どんな法案かというと、「EUは、熱帯林破壊と関連した生産物の主要な輸入国である」という認識の下、それらを生産するため

Fit for 55:2035年に新車とバンの排出量をゼロに

もう既に、国内の各紙でも報道されているところですが、欧州の「Fit for 55」施策の一環として、2035年に、新車の乗用車及び小型商用車については排出量ゼロとする法案が可決されました。 目的は、次の3点にまとめられると思います。 発表された内容は、このようなものです。 何度もお伝えしていますが、EUにおいては、法案を提出するのは専ら欧州委員会。その法案をEU理事会及び欧州議会において審議、可決することで法律となります。 なので、EU理事会の合意を欧州委員会が支持し