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気候変動も生物多様性も〜持続可能な世界を目指そう

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双子の条約と言われる、「気候変動枠組条約」と「生物多様性条約」だけど、後者はどうしても分かりにくいですね。でも、持続可能な世界の実現には、避けては通れません。どちらも一緒に学んで…
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2023年10月の記事一覧

EUのマイクロプラスチック流失撲滅作戦

サスティナブルな社会の実現の文脈で、にわかにCircular Economy(CE)が注目されているのは、皆さんもご案内のところかと思います。 環境政策の最先端を走るEUにおけるサーキュラーエコノミーの原点は、2011年の「資源効率のロードマップ」かと思いますが、2018年のサーキュラーエコノミーパッケージ、2020年のサーキュラーエコノミーアクションプランと、変遷してきました。 その対策の中心は、これまた注目を集めている「マイクロプラスチック」 現在は、3本の柱で施策が

価値基準は、金銭価値から環境価値へ

クレジットが創成されるためには、計画書(PDD:Project Design Document)を作成して実施するだけではダメで、実施した後に検証を受けなければなりません。計画書が登録される際には第三者検証機関による「有効化審査」を受けますが、必ずしも、実施後にクレジットが発行されるとは限りません。 ただ、これでは、実施した後、実績確認を行って検証を受け、めでたくクレジットが発行されてからしか販売できません。プロジェクト実施中は収入が見込めないため、特に初回の場合はこの期間

鉄鋼セクター別アプローチリリース(2)

前回から、今年7月にリリースされたSteelのSDAについて説明しています。 SDAとは、セクターに固有な状況・特性を考慮し、炭素強度、いわゆる原単位を目標設定に用いるアプローチ方法です。 「Steel」セクターに特有な状況は主に2つあり、1回目では「1.CO2多排出プロセス」を考慮された内容について説明を行いました。 今回は「2.製造方法(高炉か電炉か)」について反映されている点について説明していきたいと思います。 はっきり言うと、SBTiは「電炉推し」です。 「高炉

鉄鋼セクター別アプローチリリース(1)

SteelのSDAが、今年23年7月にリリースされてから2ヵ月が過ぎました。 SBTiのSDAのパイプラインも、完了に近づきつつありますね。 残るは、Oil and GasやChemicalなど、難易度が高いセクターですから、ロードマップ通りに開発が進むかは、不確定要素が多いですね。 ちなみに、SDAとは、目標設定方法の一つで、もう1つ、「総量削減アプローチ」というものが存在します。前者は「原単位」、後者は「総量」を目標設定の基準に取る点が異なります。 SBTiとしては、