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CDPとSBTiをマークしよう

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目標設定といえばSBTi、情報公開といえばCDP。算定実務者としては、この2つのイニシアチブの動向は常にウォッチしておく必要があります。そんな皆さんを応援します。
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記事一覧

エアラインは飛び立てるか?

つい先日、「理想論を議論する段階は過ぎ去り、具体的な削減活動を起こすフェーズに来ている」というnoteを書きました。 そんな折、タイムリー(?)に、ニュージーランド航空が2030年中間目標を撤回するというメディア報道がありました。 ニュージーランドヘラルドの記事には、併せてSBTiへ提出しているNear-term目標も撤回するという記載があったので確認しましたが、まだステータスは「TARGET SET」となっていました。 このように、Near-termで認定されている削

SBTi Scope3 discussion paper の衝撃?!(1)

7月30日、SBTiが、Corporate Net-Zero Standard(CNZS)の改訂プロセスの初期段階として、4つの技術的成果を発表しましたが、このニュースで、サステナ界隈が少しザワザワしているように思います。 リサーチした訳ではありませんが、ポジティブな意見には、強い肯定的な感情を示すものが多かった一方で、ネガティブな意見は、比較的穏やかなトーンで表現されている傾向かなと。 地域としては、欧米企業やNGOからの発言が目立ち、アジア地域からの発言は比較的少なか

GHGPのLSRガイダンス 25Q1にV1.0リリース予定

GHGプロトコルが開発中の、Land Sector and Removals Guidance。 23年Q2の予定が24年Q2へ一年延期されたあと、さらに遅れることが判明した際、ご案内していました。 目標設定のデファクトスタンダードである、SBTiのFLAGセクターガイドラインは22年9月28日にリリースされていながら、肝心の算定方法のデファクトスタンダードであるLSRGが当初予定よりも遅れていたことから、それに併せて、「アップデート」される事態にもなっていました。 そ

目標設定から移行計画へ

2050年ネット・ゼロを目指すに当たって、中間目標年である2030年が近づくに連れて、計画段階から、リアルな削減を行い、実績を出していく段階に移行すべきというnoteを、書きました。 この文脈で、アップルの例が思い出されましたので、私なりの意見を述べておきたいと思います。 アップルが昨年、Apple Watchの特定モデルでカーボン・ニュートラリティを達成した旨を公表。マークをお披露目したり、Lisa Jackson (VP, Environment, Policy an

SBTi参加企業数アップデート

毎月定例のSBTi参加企業数、2024年7月度。 毎週木曜日にアップデートされますので、2024年7月25日現在です。 前回はこちら。 SBTiは5月から、Legacy版と並行して、Beta版のTarget dashboardを運用し始めています。 昨年5月にBetaの運用は開始済みでしたが、データのフィルタリング方法が変更となり、これまでのグラフ等との継続性が保てなくなるので、当面Legacyを使用していました。 しかしながら、Beta版では認定済み組織(Target

SBTi参加企業数アップデート

毎月定例のSBTi参加企業数、2024年6月度。 毎週木曜日にアップデートされますので、2024年6月27日現在です。 前回はこちら。 前回から、Target dashboardを、LegacyからBetaへ変更しました。 昨年5月にBetaの運用は開始済みでしたが、データのフィルタリング方法が変更となり、これまでのグラフ等との継続性が保てなくなるので、当面Legacyを使用していました。ただ、運用開始から1年が経過し、そろそろかとは思っていました。 そんな中、「1.5

お客様との約束を果たそう

SBTiによるスコープ3削減に当たってクレジットの利用を認める旨の声明を受けて頂いた質問は、主に2つあります。 「何の話?」と思われた方は、まず、こちらご覧下さい。 1つは、「何故今頃?」「何のために?」というそもそも論です。 これについては、私なりの見解をお届けしました。 もう1つは、「SBTiをやる意味があるのか」というもの。 この声明を受けて、「脱炭素の旗振り役が、その手を緩めるのか」のような批判や、それこそ、内部からのクーデター(?)もあったりと、端から見ると

SBTi参加企業数アップデート

毎月定例のSBTi参加企業数、2024年5月度。 毎週木曜日にアップデートされますので、2024年5月30日現在です。 前回はこちら。 今回から、Target dashboardを、LegacyからBetaへ変更しました。 今後はこちらを使用していきます。 すでに、昨年5月にBetaの運用は開始されていたのですが、データのフィルタリング方法が変更となり、これまでのグラフ等との継続性が保てなくなるので、当面Legacyを使用していました。ただ、運用開始から1年が経過し、そろ

サスティナビリティ情報開示の行く末を勝手予測

非財務情報、こと、サスティナビリティ情報開示項目については、グローバルでは「アルファベットスープ」が解消されつつあるところ、ステークホルダーのパワーバランスによって、着地点を予測することが困難になってきていると感じています。 こちらのnoteでご案内しているように、国内では、金融庁やSSBJ、経産省などスタンダード・セッター側のみならず、監査法人や検証機関などの審査側、大学等のアカデミア側、機関投資家などのユーザー側、そして報告企業、それぞれの思惑が絡まってくると予測します

SBTi参加企業数アップデート

毎月定例のSBTi参加企業数、2024年4月度。 毎週木曜日にアップデートされますので、2024年4月25日現在です。 前回はこちら。 まずは、世界の全体数(2年以内に目標を提出すると約束する「Commitment Letter」をSBTiに提出した数と認定された数の合計)及び認定数です。 「審査中」「コミットのみ」「Commitment removed」を追加し、Net-Zeroについて「全体(審査中除く)」としています。 「Commitment removed」とさ

SBTi参加企業数アップデート

毎月定例のSBTi参加企業数、2024年3月度。 毎週木曜日にアップデートされますので、2024年3月28日現在です。 前回はこちら。 まずは、世界の全体数(2年以内に目標を提出すると約束する「Commitment Letter」をSBTiに提出した数と認定された数の合計)及び認定数です。 「審査中」「コミットのみ」「Commitment removed」を追加し、Net-Zeroについて「全体(審査中除く)」としています。 「Commitment removed」とさ

SBTi参加企業数アップデート

毎月定例のSBTi参加企業数、2024年2月度。 毎週木曜日にアップデートされますので、2024年2月22日現在です。 前回はこちら。 前回もお知らせしましたが、再度お伝えしておきます。 これまでお届けしていたデータで、下記のような誤りがありました。 ですので、Net-Zeroの参加企業数は「審査中」の企業数分だけ増えますし、SBTi短期の認定率は、分母が「コミットのみ」の企業数だけ減るので、高くなります。 なので前回から、SBTi短期には「審査中」「コミットのみ」を追

SBTi参加企業数アップデート

毎月定例のSBTi参加企業数、2024年1月度。 毎週木曜日にアップデートされますので、2024年1月25日現在です。 前回はこちら。 最初に、お詫びと修正です。 下記のような誤りがありました。 ですので、Net-Zeroの参加企業数は「審査中」の企業数分だけ増えますし、SBTi短期の認定率は、分母が「コミットのみ」の企業数だけ減るので、高くなります。 今回から、SBTi短期には「審査中」「コミットのみ」を追加します。 また、認定率は正しく計算したものを掲載します。(残

統合化の端緒となった2023年(2)

前回は、情報開示の「内容」について見てきました。 今回は、「方法」について振り返りたいと思います。 情報開示「方法」については、何をさておいても、開示プラットフォームのデファクトスタンダードを標榜するCDPでしょう。 回答は、サス担としては絶対外せない、毎年の恒例行事。 2022年からは、プライム上場企業全社が対象となりが話題となりました。 皆さん同様私にとっても一大関心事なので、繰り返しご案内しています。 そんなCDP、2024年にはドラスティックな変更があります。