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国内外の法規をフォローしよう〜省エネ法と温対法は外せない

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毎年毎年改正される、数々の法規、法令。特に気になるのが、この2つ。些細なものから、収集するデータから変わってしまう大幅なものまで、様々ですね。さらに海外も...となれば手に負えま…
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#日本版S1・S2

日本版S1・S2に対する意見提出企業の顔ぶれ

予定通り、日本版S1・S2の公開草案(ED)が2024年度3月末、最終稼働日の3月29日にリリースされて半年経過しました。 公開後、7月末を期限として、EDに対する意見募集が行われていましたが、寄せられたコメントが公開されています。 期限経過後提出のあった1社を含めて、計102社が意見提出を行ったようです。欧州委員会のコンサルテーション後の公開と同じく、原文がそのままPDFで参照できる形になっています。 もちろん、委員会のコメントはありません。 それぞれに対する、委員会

日本版S1・S2 公開草案 滑り込み公開

2023年度末までに公表するとしていた「公開草案」 年度末の最終稼働日である3月29日、滑り込みで公開されましたね。 サステナビリティ関連情報を発信するメディアを謳う「NIKKEI GX」さんは、遅れてはなるものかと、4月1日5:00に解説記事をリリース。まぁ、一大スクープでしょうから、休日返上だったことでしょう。 個人的には、議事及び事務局提出資料を都度確認していたので、委員会における審議過程は把握していましたし、先月のセミナーも参加しましたので、驚きはなく、想定通り

第1回 サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するWG(2)

3月26日開催の「金融審議会「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」(第1回)」の内容を紹介しています。 当日の資料は、こちらからDLできますが、残念ながら、アーカイブは残っていません。なので、できるだけ分かりやすい形で紹介できればと思います。 さて、ワーキンググループで議論する事項として示されたのは、次の5点なのですが、1.及び3.についての説明が中心でした。 で、1回目はこの2点の説明で終わっていました。 ですので、今回は提案の内容

SSBJオープンセミナー(8)

3月7日に開催されたSSBJのオープンセミナーで紹介された、「審議の過程で意見が分かれた主な項目」に対する基準案及び代替案の紹介と理由について、ご案内しており、今回が8回目です。 こちらのサイトから、当日の資料はダウンロードできますので、noteと併せて参照ください。 当日説明があったのは、次の「主な9点」です。 前回は、5つ目の論点までご紹介しました。 長くなっており、恐縮です。 今回は、6つ目の論点に移って参ります。 この論点をひと言で言うと、こうなります。

SSBJオープンセミナー(3)

3月7日に開催されたSSBJのオープンセミナーで紹介された、「審議の過程で意見が分かれた主な項目」に対する基準案及び代替案の紹介と理由について、ご案内しています。 当日説明があったのは、次の「主な9点」 前回は、1つ目の論点の、基準案までご紹介しました。 今回は、その代替案の説明から参りましょう。 基準案は「ISSB基準と同じ」というものでした。 理由は、前回をご参照下さい。 これを踏まえた代替案は、次の2つ。 説明に入る前に、こちらを再掲。 要求のレベルの概念は

SSBJオープンセミナー(2)

3月7日に開催されたSSBJのオープンセミナー、参加してきました。 この中で、「審議の過程で意見が分かれた主な項目」に対する基準案及び代替案の紹介と理由の説明に、約3時間が割かれていました。 論点、基準案、代替案については事前資料「ご意見をいただきたい主な項目 」に記載の通りでしたが、その背景及び理由については全く記載が無く、リアルで参加して初めて知る内容でした。 公開草案が今月末に公表された後、意見募集が始まります。今後、解説動画・記事、セミナー、説明会、アウトリ

大波乱のSSBJ第30回会合(3)

前回まで、2回に亘って、金融庁の野崎課長の発言及びそれから想定される将来の規制について、想いをはせてきました。 課長退席後は、通常の委員会に戻りましたので、そちらの議論もお届けしておきますね。 個人的に着目したのは、次の3点 1は皆さん気になるところでしょう。 ESRSにおいても、EFRAGのドラフトに対し、欧州委員会から出てきた修正案では、「マテリアリティ」に関わらず開示すべきとされる対象が大幅に削られ、「骨抜きにされた」といった議論が持ち上がったことは記憶に新しいと

大波乱のSSBJ第30回会合(2)

前回ご報告したように、2月6日に開催された第30回サステナビリティ基準委員会は、金融庁野崎課長の適用対象企業に対する爆弾発言による、これまで委員会で重ねてきた議論が瓦解しかねない状況となりました。 課長の発言中に、以下の文言が繰り返し散りばめられていたことからも、SBBJが適用対象と想定していた有価証券報告書提出企業、あるいは、プライム・スタンダード・バリューといった上場企業のうち、「グローバル」でない企業からのクレームが多数寄せられていたことが想定されます。 「グローバ

大波乱のSSBJ第30回会合(1)

2023年6月の、IFRS S1・S2リリースを受けて、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は日本版のS1・S2を策定すべく、精力的に会合を実施しています。年も明け、公開草案の発表が年度末に迫り、佳境に入ってきました。 委員会では、論点毎に慎重に審議していると認識しており、できるだけチェックするようにしています。 委員会に提出される事務局資料は、基本、全てサイトで公開されています。 しかしながら、文案等の審議資料は「審議中」なので非公開扱いです。 事務局資料中に「事務