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国内外の法規をフォローしよう〜省エネ法と温対法は外せない

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毎年毎年改正される、数々の法規、法令。特に気になるのが、この2つ。些細なものから、収集するデータから変わってしまう大幅なものまで、様々ですね。さらに海外も...となれば手に負えま…
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#金融庁

サスティナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するWG(第2回)

グローバルでホットな話題となっている「サスティナビリティ情報開示」 日本における、制度の枠組みを検討しているのが、金融庁。 「サスティナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するWG」です。 1年をかけて議論し結論を出すとして、3月に第1回が開催されました。 その議論を受けて5月14日、第2回が行われましたので、レジュメの内容を簡単に見ていきたいと思います。 内容に入る前に苦言を呈しておきたいのですが、会議の模様が、ライブでは公開されるものの、終了すると非公開となる点。アー

第1回 サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するWG(3)

3月26日開催の「金融審議会「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」(第1回)」の内容を紹介しています。 当日の資料はDLできるのですが、残念ながら、ライブ映像は非公開。ですので、見逃してしまった方のお役に立てるよう、ご紹介できればと思います。 さて、ワーキンググループで議論する事項として示されたのは、次の5点なのですが、1.及び3.についての説明が中心でした。 前回までで、このワーキンググループが設置された背景と目的、有価証券報告書の非

第1回 サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するWG(2)

3月26日開催の「金融審議会「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」(第1回)」の内容を紹介しています。 当日の資料は、こちらからDLできますが、残念ながら、アーカイブは残っていません。なので、できるだけ分かりやすい形で紹介できればと思います。 さて、ワーキンググループで議論する事項として示されたのは、次の5点なのですが、1.及び3.についての説明が中心でした。 で、1回目はこの2点の説明で終わっていました。 ですので、今回は提案の内容

SSBJオープンセミナー(9)

3月7日に開催されたSSBJのオープンセミナーで紹介された、「審議の過程で意見が分かれた主な項目」に対する基準案及び代替案の紹介シリーズ。 今回はその9回目。 当日説明があったのは、次の「主な9点」です。 当日の資料はダウンロードできますので、noteと併せて参照ください。 前回は、6つ目の論点までご紹介しました。 今回は、7つ目及び8つ目を併せて説明します。 産業横断的指標等の開示内容についての論点です。 ようやく終わりが見えてきました。 議論している「産業横断

SSBJオープンセミナー(1)

3月7日に開催されたSSBJのオープンセミナー、参加してきました。 3月末に、日本版S1・S2の公開草案発表を控え注目が集まっていたことに加え、リアルのみの開催だったこともあり、300人の枠はあっという間に埋まったとか。後日アーカイブ配信を予定とのことですが、やはり、いち早く情報を入したいですよね。 これについては、冒頭の川西SSBJ委員長の趣旨説明で「人数を読み違えた」と謝罪されていました。いずれにせよ、これから毎年、この時期に開催されるとのこと。来年は、確定基準の公開

大波乱のSSBJ第30回会合(3)

前回まで、2回に亘って、金融庁の野崎課長の発言及びそれから想定される将来の規制について、想いをはせてきました。 課長退席後は、通常の委員会に戻りましたので、そちらの議論もお届けしておきますね。 個人的に着目したのは、次の3点 1は皆さん気になるところでしょう。 ESRSにおいても、EFRAGのドラフトに対し、欧州委員会から出てきた修正案では、「マテリアリティ」に関わらず開示すべきとされる対象が大幅に削られ、「骨抜きにされた」といった議論が持ち上がったことは記憶に新しいと

大波乱のSSBJ第30回会合(2)

前回ご報告したように、2月6日に開催された第30回サステナビリティ基準委員会は、金融庁野崎課長の適用対象企業に対する爆弾発言による、これまで委員会で重ねてきた議論が瓦解しかねない状況となりました。 課長の発言中に、以下の文言が繰り返し散りばめられていたことからも、SBBJが適用対象と想定していた有価証券報告書提出企業、あるいは、プライム・スタンダード・バリューといった上場企業のうち、「グローバル」でない企業からのクレームが多数寄せられていたことが想定されます。 「グローバ

大波乱のSSBJ第30回会合(1)

2023年6月の、IFRS S1・S2リリースを受けて、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は日本版のS1・S2を策定すべく、精力的に会合を実施しています。年も明け、公開草案の発表が年度末に迫り、佳境に入ってきました。 委員会では、論点毎に慎重に審議していると認識しており、できるだけチェックするようにしています。 委員会に提出される事務局資料は、基本、全てサイトで公開されています。 しかしながら、文案等の審議資料は「審議中」なので非公開扱いです。 事務局資料中に「事務

IFRS S1・S2が目指すところ

先日、日本版S1・S2プロジェクトの進捗状況をご案内しました。 月1回以上のペースで鋭意検討中のようなので、当初の予定通り、2023年度中にはドラフトが公開され、パブコメ実施。フィードバックの内容を反映して、2024年度中には確定基準がリリースされるのでは無いでしょうか。 とはいえ、S1・S2は来年2024年1月1日移行に開始する年次報告期間から適用が可能になりますので、任意開示にはなりますが、これに基づいた開示を行ってもよいわけです。 個人的には、将来の日本版S1・S2