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国内外の法規をフォローしよう〜省エネ法と温対法は外せない

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毎年毎年改正される、数々の法規、法令。特に気になるのが、この2つ。些細なものから、収集するデータから変わってしまう大幅なものまで、様々ですね。さらに海外も...となれば手に負えま…
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#排出量

削減実績量?⊿CO2?

サステナ界隈で話題になってる(?)、経産省の研究会での議論内容。 ご存知の方も、いらっしゃることでしょう。 昨年11月14日の第1回会合で紹介されていたときには気づいていませんでしたが、年が明けてからも継続して検討され、メディアでも報道されるようになり、にわかに注目を集めるようになった感があります。 2月9日に行われた第3回会合では事務局から名称案も提示され、委員の皆さんも真面目に意見を述べるなど、もうリリース間近の雰囲気でした。 その注目の的は「削減実績量(⊿CO2)

Fit for 55:2035年に新車とバンの排出量をゼロに

もう既に、国内の各紙でも報道されているところですが、欧州の「Fit for 55」施策の一環として、2035年に、新車の乗用車及び小型商用車については排出量ゼロとする法案が可決されました。 目的は、次の3点にまとめられると思います。 発表された内容は、このようなものです。 何度もお伝えしていますが、EUにおいては、法案を提出するのは専ら欧州委員会。その法案をEU理事会及び欧州議会において審議、可決することで法律となります。 なので、EU理事会の合意を欧州委員会が支持し

CBAM in motion(2)

2023年10月より導入が事実上確定したEUの炭素国境調整措置(CBAM)について、EY新日本有限責任監査法人が開催したウェビナーの資料を用いながら、内容について見ています。 1回目では概略の説明をしたところです。 2回目は、CBAMが及ぼす影響を、自分なりに考えたいと思います。 何と言っても「輸出業務が変わる」ことですね。 「当たり前だろ」と思われるでしょうが、当該業務に従事する方にとって「CO2排出量の算定」って未知の世界だと思います。 脱炭素に関する人材育成に

CBAM in motion(1)

EUの炭素国境調整措置(CBAM) が、13日、欧州議会とEU理事会がCBAMの導入について合意に達したことで、事実上導入が決定したことは、既にお伝えしておりました。 あとは、EU各国及び欧州議会において、セレモニー的な「採択(adoption)」が行われて最終決定となります。 詳細はどうなるのかなぁと思っていたところ、EY新日本有限責任監査法人がCBAMとCSRDについてのウェビナーを開催してくれたおかげで、かなり理解が進みました。 ということで、レジュメを使いながら

SHK制度算定方法中間取りまとめ(1)

「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づく「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度(SHK制度)における算定方法は、日本が毎年国連に報告している温室効果ガスインベントリに準拠して2006年に規定されました。 その後、国家インベントリの算定方法は毎年見直しが行われている一方で、SHK制度については、制度開始以来ほとんど見直されておらず、算定対象活動や排出係数が事業者の排出実態に必ずしも即したものになっていないという問題がありました。 さらに、バウンダリーの考え方や、証書・

改正省エネ法が施行されます

23年4月1日から、改正省エネ法が施行されます。 算定を行っている方は、省エネ法・温対法の報告も担当されている場合が多いでしょうから、ポイントを少しお伝えしておこうと思います。 まず、「再エネ電気もゼロカウントでなくなる」というのがデカイですね。 改正により、エネルギーの定義が見直されるからです。 旧:燃料並びに熱及び電気 新:化石燃料及び非化石燃料並びに熱及び電気 現行省エネ法は「化石エネルギーの使用を合理化・効率化する」ことが目的であったところ、非化石エネルギー