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国内外の法規をフォローしよう〜省エネ法と温対法は外せない

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毎年毎年改正される、数々の法規、法令。特に気になるのが、この2つ。些細なものから、収集するデータから変わってしまう大幅なものまで、様々ですね。さらに海外も...となれば手に負えま…
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2024年3月の記事一覧

第1回 サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するWG(3)

3月26日開催の「金融審議会「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」(第1回)」の内容を紹介しています。 当日の資料はDLできるのですが、残念ながら、ライブ映像は非公開。ですので、見逃してしまった方のお役に立てるよう、ご紹介できればと思います。 さて、ワーキンググループで議論する事項として示されたのは、次の5点なのですが、1.及び3.についての説明が中心でした。 前回までで、このワーキンググループが設置された背景と目的、有価証券報告書の非

第1回 サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するWG(2)

3月26日開催の「金融審議会「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」(第1回)」の内容を紹介しています。 当日の資料は、こちらからDLできますが、残念ながら、アーカイブは残っていません。なので、できるだけ分かりやすい形で紹介できればと思います。 さて、ワーキンググループで議論する事項として示されたのは、次の5点なのですが、1.及び3.についての説明が中心でした。 で、1回目はこの2点の説明で終わっていました。 ですので、今回は提案の内容

第1回 サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するWG(1)

3月26日に開催された「金融審議会「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」(第1回)」を視聴しました。 当日の資料は、こちらからDLできます。 残念ながら、ライブ動画は非公開となっており、アーカイブは残っていません。委員の皆さんの生の声を始めとする場の雰囲気は、議論の行方を予測する上で重要なところ、何故残さないのでしょうか。失言等があった場合に対処できなくなるからでしょうか。 傍聴かなわなかった方も多数いらっしゃるかと思うので、個人的な感

サスティナビリティ情報開示の行く末は?(1)

3月7日に開催されたSSBJのオープンセミナー。 サスティナブル担当としては、やはり日本版S1・S2が注目の的。 開発の大本営のセミナーとあって、開示基準のアップデートに殆どの時間を割いており、私もメモを取りまくり、こちらのnoteでも、10回に亘って概略をお届けしてきました。 ですが、その前段として、金融庁による制度・規制のアップデート、後段として、公認会計士協会による保証基準のアップデートがありました。 私は、こちらの動向についても非常に関心を持っており、傾聴してい

ESRSとGRIとInteroperability

3月1日に、SBBJ主催で、EFRAGとの公開セミナーが行われました。 3月7日に開催された日本版S1・S2のセミナーの影にひっそりと隠れる形になってしまった感がありますが、こちらも劣らず内容盛り沢山でした。 特に、後半の対談では、川西委員長が企業の忌憚ない質問を投げかけ、EFRAGでESRSの開発を担当した主要メンバーが、バックグラウンドや自身の経験を踏まえて、具体的に回答していました。 また、前半の川西委員長のESRSの理解や、SRB議長のEFRAGの位置づけ、SR-

クレジットと証書の違いを押さえておこう(3)

これまで、2回に亘って、「クレジットと証書の違い」による、取り扱いの相違についてご案内してきました。 最終回は、温対法における報告方法及び証書の購入方法について、簡単に説明しておきたいと思います。 SHK制度で想定している証書は、非化石証書、グリーンエネルギーCO2削減相当量(グリーン電力証書及びグリーン熱証書)です。 温対法の報告では、「第5表の2」に国内認証排出削減量にかかる情報を記入します。グリーンエネルギーCO2削減相当量の例がこちら。 ただ、省エネ法に基づく

SSBJオープンセミナー(10)

3月7日に開催されたSSBJのオープンセミナーで紹介された、「審議の過程で意見が分かれた主な項目」に対する基準案及び代替案の紹介シリーズ。 当日説明があったのは、次の「主な9点」でした。 当日の資料は、こちらのサイトからダウンロードできます。 noteと併せて参照ください。 9回目に紹介したのは、7つ目及び8つ目の論点でした。 今回は、最後の論点9をご案内していきます。 IFRS S2では、内部炭素価格(internal carbon price)について、次のよう

SSBJオープンセミナー(9)

3月7日に開催されたSSBJのオープンセミナーで紹介された、「審議の過程で意見が分かれた主な項目」に対する基準案及び代替案の紹介シリーズ。 今回はその9回目。 当日説明があったのは、次の「主な9点」です。 当日の資料はダウンロードできますので、noteと併せて参照ください。 前回は、6つ目の論点までご紹介しました。 今回は、7つ目及び8つ目を併せて説明します。 産業横断的指標等の開示内容についての論点です。 ようやく終わりが見えてきました。 議論している「産業横断

SSBJオープンセミナー(8)

3月7日に開催されたSSBJのオープンセミナーで紹介された、「審議の過程で意見が分かれた主な項目」に対する基準案及び代替案の紹介と理由について、ご案内しており、今回が8回目です。 こちらのサイトから、当日の資料はダウンロードできますので、noteと併せて参照ください。 当日説明があったのは、次の「主な9点」です。 前回は、5つ目の論点までご紹介しました。 長くなっており、恐縮です。 今回は、6つ目の論点に移って参ります。 この論点をひと言で言うと、こうなります。

SSBJオープンセミナー(7)

3月7日に開催されたSSBJのオープンセミナーで紹介された、「審議の過程で意見が分かれた主な項目」に対する基準案及び代替案の紹介と理由について、ご案内しており、今回が7回目です。 こちらのサイトから、当日の資料はダウンロードできますので、noteと併せて参照ください。 当日説明があったのは、次の「主な9点」です。 前回は、4つ目の論点までご紹介しました。 今回は、5つ目の論点を説明していきますね。 まず、ロケーション基準とマーケット基準の理解が必要ですね。 事前配布

SSBJオープンセミナー(6)

3月7日に開催されたSSBJのオープンセミナーで紹介された、「審議の過程で意見が分かれた主な項目」に対する基準案及び代替案の紹介と理由について、ご案内しており、今回が6回目です。 こちらのサイトから、当日の資料はダウンロードできますので、noteと併せて参照ください。 当日説明があったのは、次の「主な9点」です。 前回は、3つ目の論点までご紹介しました。 6回目となる今回は、4つ目の論点がテーマです。 何が論点になっているかというと、結局「期ずれ」の問題です。 世界

SSBJオープンセミナー(5)

3月7日に開催されたSSBJのオープンセミナーで紹介された、「審議の過程で意見が分かれた主な項目」に対する基準案及び代替案の紹介と理由について、ご案内しており、今回が5回目です。 こちらのサイトから、当日の資料はダウンロードできますので、noteと併せて参照ください。 当日説明があったのは、次の「主な9点」です。 前回は、2つ目の論点までご紹介しました。 今回は、3つめの論点を見ていきましょう。 1と2は概念的な内容だったため、スタンダードセッターのSSBJでは重要

SSBJオープンセミナー(3)

3月7日に開催されたSSBJのオープンセミナーで紹介された、「審議の過程で意見が分かれた主な項目」に対する基準案及び代替案の紹介と理由について、ご案内しています。 当日説明があったのは、次の「主な9点」 前回は、1つ目の論点の、基準案までご紹介しました。 今回は、その代替案の説明から参りましょう。 基準案は「ISSB基準と同じ」というものでした。 理由は、前回をご参照下さい。 これを踏まえた代替案は、次の2つ。 説明に入る前に、こちらを再掲。 要求のレベルの概念は

SSBJオープンセミナー(2)

3月7日に開催されたSSBJのオープンセミナー、参加してきました。 この中で、「審議の過程で意見が分かれた主な項目」に対する基準案及び代替案の紹介と理由の説明に、約3時間が割かれていました。 論点、基準案、代替案については事前資料「ご意見をいただきたい主な項目 」に記載の通りでしたが、その背景及び理由については全く記載が無く、リアルで参加して初めて知る内容でした。 公開草案が今月末に公表された後、意見募集が始まります。今後、解説動画・記事、セミナー、説明会、アウトリ