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目指せネットゼロ、世界は既に動いてる

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2050年カーボンニュートラルを政府が打ち出す前から、すでに、世界は動いていました。「やるか、やらないか」ではありません。「いつやるか」です。そのために必要な情報を、提供していき…
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#カーボンプライシング

GX-ETS制度設計始動(10)

GX-ETSの具体案に関して、有識者や産業界の意見を踏まえた検討を行うWGの概要説明シリーズ10回目。 第1回会合は9月3日については、7回に亘って説明済み。 YouTubeでアーカイブ視聴できますので、お時間のある方はどうぞ。 第2回会合が9月20日に行われましたので、遅ればせながら、8回目から引き続き概要を簡単にご案内しております。 こちらもまた、アーカイブがありますので、必要に応じご視聴下さい。 ヒアリングを受けた業界団体は、次の5団体です。 1回目及び2回

GX-ETS制度設計始動(9)

GX-ETSの具体案に関して、有識者や産業界の意見を踏まえた検討を行うWGの内容をシリーズでお届けしています。 第1回会合は9月3日に開催され、7回に亘って概略を説明しました。 第2回会合も、既に、9月20日に行われてについいました。 遅ればせながら、8回目として引き続き概要を簡単にご案内しております。 今回は、その続きとなります。 ヒアリングを受けた業界団体は、次の5団体です。 2回目ですので、事務局説明は無く、業界団体の取組説明、委員のコメント及び両者の質疑応答

GX-ETS制度設計始動(8)

政府は、GXの実現に向け、成功志向型カーボンプライシング構想の具体化を進めていますが、2026年本格稼働を前に、GX-ETSの具体案に関して、有識者や産業界の意見を踏まえた検討を行うWGを設置しました。 委員の顔ぶれはこちら。 排出量取引やクレジットについて、黎明期から携わってこられた錚々たる方々で、私にとっても「懐かしい」面々という印象。 当時から携わってきた関係者からしてみれば「いつか来た道」「議論は尽くした」という感覚もあるところですが、だからこそ、同じ議論を繰り

GX-ETS制度設計始動(7)

9月3日に開催された「GX実現に向けたカーボンプライシング専門WG」第1回会合の様子をお届けするシリーズ最終回。 YouTubeでアーカイブはこちらです。 前回までで、事務局のカーボンプライシング動向報告及び論点紹介、業界団体の現状取組の説明についてご案内してきました。今回は、委員の方々のコメント及び、業界団体との質疑応答の様子について、個人的に気になったところを紹介したいと思います。 なお、議事録が公開されていますので、実際どのようなやり取りがあったのかは、動画だけで

GX-ETS制度設計始動(3)

9月3日に開催された、GX-ETSの設計に関し、有識者や産業界の意見を踏まえた検討を「GX実現に向けたカーボンプライシング専門WG」第1回会合について、前々回からご案内しています。 YouTubeでアーカイブを視聴できますが、何せ2時間半超えの長丁場。 「とても観てられない」という皆さんに、内容をかいつまんでお届けしています。ただ、お時間のある方は「場の空気」を感じるために、流し見で結構なので、ご覧になるとよいかと思います。 前回は、事務局による国内外におけるETSのレビ

各国CPにおけるクレジットの扱いについて(2)

現在、世界中で導入が進んでいる、ETS(Emissions Trading Scheme)。 その制度運営について、前回からご案内しています。 今回は、ETSにおいて使用できるクレジットについて。 前回は、どのような種類のクレジットがあるかまで、説明しました。 ご覧になられていないのであれば、こちらからどうぞ。 前回説明しましたように、「二国間」と「国内制度」において使用できるクレジットが基本となります。「二国間」は、日本(JCM)やスイス(Klik)、シンガポールなど

統合化の端緒となった2023年(3)

(1)で情報開示の「内容」、(2)で情報開示の「方法」を振り返りました。 3回目の今回は、算定の対象及び方法を見ていきましょう。 2回目でもご案内したように、企業は、組織の排出削減に励む一方、製品単位での排出量を表示し、最終消費者の判断材料とする動きが顕著になってきました。排出量が少ない製品を購入すれば、グローバルでの排出量の削減に繋がります。 製品やサービスのライフサイクル全体におけるGHGの排出量は「カーボンフットプリント」と呼ばれ、ISO規格も存在します。(ISO1

カーボンプライシングとGX戦略(3)

「カーボンプライシング」と「GX戦略」を「脱炭素」というキーワードを絡めて、どのように活かしていくかを探るシリーズ、3回目です。 2回目では、「カーボンプライシング」の定義と「GX戦略」の内容について、簡単にご説明しました。「成長志向型カーボンプライシング」のロードマップもざっとご案内したところです。 それを踏まえた上で、どのように活用していけばよいのかを、一緒に考えて行きたいと思います。 中小企業の経営者であれば事業に直結しますし、大企業のサス担当であれば経営戦略に環

カーボンプライシングとGX戦略(1)

最近、とみに聞く言葉ですよね。 noteでは「カーボンプライシング」については何度となくお伝えしているところ、「GX戦略」は知っているけど、その実あまり理解できていない、そんな方もいらっしゃるかと思います。 かく言う私も、熟知している訳ではありませんが、関係については理解しているつもりです。簡単に言うと、「一度で二度美味しい」施策です。 個人的には、「やらないと損」どころではなく、「ダメージ」を受けるレベルだと考えています。なので、常々、このようにご案内しています。 そ