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目指せネットゼロ、世界は既に動いてる

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2050年カーボンニュートラルを政府が打ち出す前から、すでに、世界は動いていました。「やるか、やらないか」ではありません。「いつやるか」です。そのために必要な情報を、提供していき…
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#RE100

Washingを恐れてHushing?

みなさん、「Green Washing」はよくご存知ですよね。 noteでは、昨年早々に記事にしておりました。 このような背景の下に、既存のボラクレは、登録済みのプロジェクトを精査したり、方法論をアップデートしたりと、「Legacy」に対する対応に追われていました。 また、ウォッシュ批判を受けて「高品質なクレジット」の要求事項が上がっていても、なお、「クレジットを創りたい」という要望が多く寄せられたことを踏まえて、このようなnoteも書きました。 クレジットの収益が目的

バイオマス発電の悩みどころ

バイオマス使用によるGHG排出量については、算定ルールによって取り扱いが異なっていることは、皆さんご承知かと思います。 算定した上で別途報告であったり、カーボンニュートラルとしてそもそも算定不要(算定対象外)だったり。 直接排出では、例えばSHK制度では、CH4及びN2Oの対象となる排出活動として「バイオマス燃料の使用」があります。それでなくとも、事業者が「バイオマスを使用している」という認識があるので、必要であれば算定できるところでしょう。 他方、間接排出、つまり電力

カーボンプライシングとGX戦略(6)

「カーボンプライシング」と「GX戦略」を「脱炭素」というキーワードを絡めて、どのように活かしていくかを探るシリーズ、6回目です。 5回目では、行動を起こす動機付けになるような、排出量削減がもたらすベネフィットについて、「マイナス→ゼロ」、つまり、リスクを回避・低減できるという側面について説明しました。 今回は、「ゼロ→プラス」側面、つまり、やった方が得をしますよ、というお話です。これについては、「見える価値」と「見えにくい価値」の両面がありますが、最初に「見えにくい価値」

非化石価値取引市場取引結果斜め読み

JEPX(日本卸電力取引所)は、22年度第2回目の取引結果を公表しました。 取り引きはオークション形式で行われ、年度内に4回(8月・11月・2月・5月)実施されます。 この「非化石価値取引市場」および「高度化法義務達成市場」とからなり、取り扱っている証書は、それぞれ次のようになっています。 一般の事業者が、省エネ法の報告において、他者から購入した電力による排出量(間接排出量)を削減するために購入する証書は「FIT証書」です。 他方非FIT証書は、いずれも、高度化法の規

環境イニシアチブの興隆

アルファベット・スープ ICTや金融関係などでよく言われていたような状態が、環境にきてますね。 もともと、個人的には、環境関連では、 ・知っている人は知っている ・知らない人は全く知らない と二極化が進んでいるという肌感覚でした。 でも今は、 ・知っている人はソコソコ知っている ・知らない人でもチョコッとは知っている ・ガッツリ知っている人は一握り という認識に変わりました。 MDGsを知っていた人は殆どいなかったと思いますが、SDGsという言葉を聞いたことすら無い人は

RE100達成が容易になりそうです

経産省とエネ庁は、再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会で、「2030年度の再エネ導入目標実現に向けた施策」の議論に着手しました。 系統増強加速 蓄電池開発推進 再エネ大量導入 PPAモデルの普及 「次世代?」と思えるような項目が上がっていましたが、個人的に期待したいのは「PPAモデルの普及」 PPAとは「Power Purchase Agreement」の略で、発電事業者と需要家との間で結ぶ「電力販売契約」のことです。この契約には2つの形態が