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目指せネットゼロ、世界は既に動いてる

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2050年カーボンニュートラルを政府が打ち出す前から、すでに、世界は動いていました。「やるか、やらないか」ではありません。「いつやるか」です。そのために必要な情報を、提供していき…
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#スコープ3

VCMI「Scope 3 Claim」コンサル開始

去る7月23日、VCMIが「Scope 3 Claim」のコンサルテーションを9月2日から10月7日にかけて実施する旨、発表していました。 ピンとくる方も多いかと思いますが、昨年11月にリリースした「Scope 3 Flexibility Claim」の進化版です。noteで簡単にご案内しています。 150団体以上からのフィードバックを反映、名称も新しく「Scope 3 Claim」と変更した上で、今回のコンサルテーションとなった模様。なので、詳細は「Scope 3 Fl

Verraの「Scope3 Standard Program」に期待(3)

CDPとBCGによる、23年のCDP質問書回答を分析したレポート「Scope3 Upstream: Big Challenges, Simple Remedies」で明らかになった、スコープ3排出量算定の課題について、2回に亘ってお届けしています。 前回はこちら。 今回は、その課題に対し、Verraが「Scope 3 Standard Program」を推進しているのですが、その効果について話をしていきたいと思います。 「Scope 3 Standard Program

カーボン・クレジットの種類について

カーボン・クレジットについて説明する際は、無難で安心できる出典として、経産省の「カーボン・クレジット・レポート」を参照しています。 レポートによると、カーボン・クレジットは、次のように分類されるとあります。(本文は文章ばかりで分かりにくいので、概要を使って説明します) このように、「排出回避/削減」クレジットと「固定吸収/貯留」クレジットと、大きく2つに分かれます。前者は「削減回避系」、後者は「吸収除去系」とも呼ばれており、今後はこちらで表現しますので、ご承知おき下さい。

Verraの「Scope3 Standard Program」に期待(2)

前回から、6月25日にCDPとBCGが合同で発表した、23年のCDP質問書回答を分析した新しいレポート「Scope3 Upstream: Big Challenges, Simple Remedies」で明らかになった、スコープ3排出量算定の重要性について、思うところをお話ししています。 その課題に対し、Verraが推進しているプロジェクト「Scope 3 Standard Program」が、果たしてソリューションになるのか? という視点で考えてみたいと思います。 まず

Verraの「Scope3 Standard Program」に期待(1)

6月25日にCDPとBCGが合同で発表した、23年のCDP質問書回答を分析した新しいレポート「Scope3 Upstream: Big Challenges, Simple Remedies」は、スコープ3排出量の全産業の平均値は、スコープ1・2排出量の26倍だっ たったことを明らかにしました。 とりわけ、製造、小売、材料部門からの上流排出量は、22年にEUで排出されたCO₂の1.4倍に上ったそうです。 他にも、例えば、自動車セクターは、下流排出量が自社のバリューチェーン

SBTi Scope3 discussion paper の衝撃?!(1)

7月30日、SBTiが、Corporate Net-Zero Standard(CNZS)の改訂プロセスの初期段階として、4つの技術的成果を発表しましたが、このニュースで、サステナ界隈が少しザワザワしているように思います。 リサーチした訳ではありませんが、ポジティブな意見には、強い肯定的な感情を示すものが多かった一方で、ネガティブな意見は、比較的穏やかなトーンで表現されている傾向かなと。 地域としては、欧米企業やNGOからの発言が目立ち、アジア地域からの発言は比較的少なか

GHG削減待ったなしです

2023年に突入しました。 2022年は、4月にnoteを始めたのが、個人的に大きな進歩。 というのも、これまで、個人的な発信をほとんどしてこなかったからです。 もちろん単発的にはありましたが、継続したことがありませんでした。 ただ、お客様の脱二酸化炭素化、持続可能な研究開発、地域活性化等を支援していく中で、その活動のコアとなる部分はほとんど共通しており、繰り返しご説明する過程で、かなりの程度蓄積され、もっと活用できるようにしたいと思い、重い腰を上げたのでした。 具体的に

RE100達成が容易になりそうです

経産省とエネ庁は、再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会で、「2030年度の再エネ導入目標実現に向けた施策」の議論に着手しました。 系統増強加速 蓄電池開発推進 再エネ大量導入 PPAモデルの普及 「次世代?」と思えるような項目が上がっていましたが、個人的に期待したいのは「PPAモデルの普及」 PPAとは「Power Purchase Agreement」の略で、発電事業者と需要家との間で結ぶ「電力販売契約」のことです。この契約には2つの形態が