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目指せネットゼロ、世界は既に動いてる

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2050年カーボンニュートラルを政府が打ち出す前から、すでに、世界は動いていました。「やるか、やらないか」ではありません。「いつやるか」です。そのために必要な情報を、提供していき…
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2024年10月の記事一覧

パリ協定6条の現在地(2)

毎年恒例の、IGESのCOP29直前ウェビナーシリーズ。 第2回目では、小圷 パリ協定6条実施パートナーシップ センター長による「パリ協定6条」についての解説でした。 カーボン・クレジットの将来を左右する重要なテーマであり、クレジットに携わる人間にとっては、外すことができません。ということで、前回から、できるだけ分かりやすく紹介しております。 今回は、COP29で議論される論点について、ご案内していこうと思います。 主なものは、次の2つ。 6条で欠かせない要素が「Aut

GX-ETS制度設計始動(10)

GX-ETSの具体案に関して、有識者や産業界の意見を踏まえた検討を行うWGの概要説明シリーズ10回目。 第1回会合は9月3日については、7回に亘って説明済み。 YouTubeでアーカイブ視聴できますので、お時間のある方はどうぞ。 第2回会合が9月20日に行われましたので、遅ればせながら、8回目から引き続き概要を簡単にご案内しております。 こちらもまた、アーカイブがありますので、必要に応じご視聴下さい。 ヒアリングを受けた業界団体は、次の5団体です。 1回目及び2回

GX-ETS制度設計始動(9)

GX-ETSの具体案に関して、有識者や産業界の意見を踏まえた検討を行うWGの内容をシリーズでお届けしています。 第1回会合は9月3日に開催され、7回に亘って概略を説明しました。 第2回会合も、既に、9月20日に行われてについいました。 遅ればせながら、8回目として引き続き概要を簡単にご案内しております。 今回は、その続きとなります。 ヒアリングを受けた業界団体は、次の5団体です。 2回目ですので、事務局説明は無く、業界団体の取組説明、委員のコメント及び両者の質疑応答

GX-ETS制度設計始動(8)

政府は、GXの実現に向け、成功志向型カーボンプライシング構想の具体化を進めていますが、2026年本格稼働を前に、GX-ETSの具体案に関して、有識者や産業界の意見を踏まえた検討を行うWGを設置しました。 委員の顔ぶれはこちら。 排出量取引やクレジットについて、黎明期から携わってこられた錚々たる方々で、私にとっても「懐かしい」面々という印象。 当時から携わってきた関係者からしてみれば「いつか来た道」「議論は尽くした」という感覚もあるところですが、だからこそ、同じ議論を繰り

クレジットのおさらいをしておこう(3)

政府が、22年6月にリリースした「カーボン・クレジット・レポート」を利用して、クレジットのおさらいをしています。 サステナ関係は目まぐるしいスピードで変化するため、参照する情報には気を遣いますが、クレジットに関しては国内では右に出る者はいないという方々を委員に迎えた検討会を実施、その成果物として大本営がまとめたものですので、このレポートに基づいて理解しておけば間違い無いでしょう 1回目は、コンプライアンス・クレジットとボランタリー・クレジットの区別、及びボラクレのプログラ

クレジットのおさらいをしておこう(2)

政府が21年の年末から22年6月にかけて「カーボンニュートラルの実現に向けたカーボン・クレジットの適切な活用のための環境整備に関する検討会」を6回開催。その成果物としてまとめた「カーボン・クレジット・レポート」を利用して、クレジットのおさらいをしています。 前回は、コンプライアンス・クレジットとボランタリー・クレジットの区別、及びボラクレのプログラム(スキーム)についてご案内しました。 今回は、プロジェクト(方法論)の種類についてご案内していきます。 上図のように、大き

クレジットのおさらいをしておこう(1)

カーボン・クレジット・エバンジェリストとして(?!)、何度となくご案内してきましたが、話題になればなるほど、「最近知りました」という方が次々と現れ、同じ説明を繰り返すことも多くなってきました、 なので、ここでもう一度、簡単におさらいをしておこうと思います。 と言っても、一から説明するのも難しいし、さりとて、適切な参考資料もあまり見当たらない。そんな時に頼りになるのが、大本営がまとめた「カーボン・クレジット・レポート」 既に古くなった情報もありますが、クレジットの本質的な

Airport Carbon Accreditation(2)

前回から、Airport Council International(ACI)が実施している「Airport Carbon Accreditation(ACA)」について、ご紹介しています。 ACIは、1991年設立の、世界の約2000空港が加盟している業界団体。空港の業績評価やサービス向上のためのプログラムを提供するなど、空港業界全体の発展に寄与することを目的にしています。 そのACIが、空港のGHG排出削減推進のために実施している国際的な認証プログラムがACAです。

VCMI「Scope 3 Claim」コンサル開始

去る7月23日、VCMIが「Scope 3 Claim」のコンサルテーションを9月2日から10月7日にかけて実施する旨、発表していました。 ピンとくる方も多いかと思いますが、昨年11月にリリースした「Scope 3 Flexibility Claim」の進化版です。noteで簡単にご案内しています。 150団体以上からのフィードバックを反映、名称も新しく「Scope 3 Claim」と変更した上で、今回のコンサルテーションとなった模様。なので、詳細は「Scope 3 Fl

SBTi参加企業数アップデート

毎月定例のSBTi参加企業数、2024年9月度。 毎週木曜日にアップデートされますので、2024年9月27日現在です。 前回はこちら。 SBTiは23年5月から、Beta版のTarget dashboardを運用し始めましたが、活用されていらっしゃいますでしょうか。 「Target set」、「Committed」及び「Commitment removed」でフィルタリングでき、データも、エクセルファイルでダウンロードできるようになっています。 履歴が残らないことが難点