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高品質なカーボン・クレジットを求めて

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誤解されやすい、カーボン・クレジット。適切に使用すれば、1.5℃目標も夢じゃない!正しい理解をお手伝いします。
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#Verra

米国から目が離せない?!

4月9日、SBTiによるスコープ3削減に当たってクレジットの利用を認める旨の声明を発端として、サステナ界隈がざわつき始めたのは、皆さんご承知の通りでしょう。 実際問い合わせも多く、取り急ぎ、個人的な見解をご案内しました。 もしご覧になっておられないようでしたら、是非。 これに至る伏線は複数あり、さほど驚きではありませんでしたが、やはり、足元で起きている現象を俯瞰して、今何が起きているかを把握する「Insight」と、これらを解釈して将来何が起こりそうかを予測する「Fore

2023年のVCMを振り返ってみよう(2)

cCarbonが、2023年のVCMについて分かりやすくレビューをしてくれていました。ですので、それを参照しつつ、個人的なコメントも織り交ぜて、お届けしております。 前回は、カーボン・クレジットの償却量(二度と使えなくする処理で、利用量と考えてもらってよいです)について説明しました。今回は、その種類と発行量について見ていきたいと思います。 方法論毎の発行量がこちら。 2020年から2023年までの4年間という短い期間ですが、再エネ導入からREDD+、そして高効率機器への

2023年のVCMを振り返ってみよう(1)

VCMの動向をチェックするのにお世話になっている「cCarbon」 新年を迎え、2023年をレビューする記事を公開してくれていました。 日本でもGX-ETSが始動するなど、カーボン・クレジット界隈が賑やかになり始めた年でもありましたよね。このレビューでは、Verra(VCS), Gold Standard(GS), American Carbon Registry(ACR), Climate Action Reserve(CAR)の4大メジャーのVCMのデータを集計していま

カーボン・クレジットの業界地図

先日、海外のプロバイダーから「このところVerraの動きが遅い」という話を聞きました。自身は国内のクレジットしか扱っていないので感覚は無かったのですが、改めて考えると宜なるかなと思いました。 以降は、完全に個人的な見解、というか、妄想かもしれませんが、お付き合い頂ければと思います。 JPXがカーボン・クレジット市場を開設し取引が開始されたことで、これまでは「知る人ぞ知る」状態だったクレジットも、市井の方々にも知られるところとなったかとは思います。 世界的には日本とは比較

ウォッシュを許さない文化を創ろう

今年2月6日、VerraがCDMの方法論「AMS-III.AU(稲作における水管理方法の調整によるメタンガス排出量の削減)」に基づくVCSを停止していると、CARBONCREDIT.COMが報道しており、どうなるだろうと思っていました。 この方法論は、稲作における有機物の嫌気性分解を低減することによる、GHG排出回避です。 これには、以下のようなプロジェクトや活動が含まれます。 ・中干しの実施もしくは中干し期間の延長 ・間断灌水もしくは好気性稲作 ・移植栽培から直播栽培

Verraのクレジットが使いやすくなりそう

カーボン・クレジットの使い方については、繰り返し説明してきました。 目的によって、「使える」「使えない」が変わってくるんですよね。 これまでは、作る方もボランタリーであれば、使う方もボランタリー。 互いが互いを信用していれば「契約成立」でOKでした。 ところが、2050年ネットゼロという目標が世界的に認識される中、それを達成しようとするイニシアチブが複数立ち上がり、それを求める機関投資家が現れ、それに応えようとする企業が現れてきました。 それに応えようとする企業を応援

クレジットの発行保証します

NCSAが、6つの森林吸収プロジェクトを「Lighthouses」に指定しました。 Katingan Peatland Restoration and Conservation Project (Indonesia) Luangwa Community Forests Project (Zambia) Mai Ndombe REDD+ Project (Democratic Republic the Congo) REDD+ Project for Caribbean