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高品質なカーボン・クレジットを求めて

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誤解されやすい、カーボン・クレジット。適切に使用すれば、1.5℃目標も夢じゃない!正しい理解をお手伝いします。
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2022年8月の記事一覧

高品質なクレジットを目指して(3)

VCMI(Voluntary Carbon Markets Integrity Initiative:自主的炭素市場十全性イニシアチブ)が、カーボン・クレジットの使用に際し、その透明性と信頼性を確保するための指針「The Claims Code of Practice (CoP)」の案が発表され、現在パブコメが終了し、内容を精査していると思われます。 このCoPについて、前回から紹介しています。 その「CoP」は4つのステップからなっておりまして、1と2は紹介済。 1.

高品質なクレジットを目指して(2)

「安かろう悪かろう」ではありませんが、ボランタリーなカーボン・クレジットについて、ネガティブな意見や懸念する声があるのも現実。残念ながら、実体の無いクレジット、ウォッシュと捉えられても仕方の無いクレジットもあるようです。 しかしながら、質の高いクレジットであれば、企業はクレジットの購入を通じて、自社のバリューチェーン内だけでなく、バリューチェーン外での排出削減に貢献できます。これは、まさしく、SBTiがNet-Zero Standardで求めている、「BVCM:Beyond

高品質なクレジットを目指して(1)

UNFCCCが2020年6月に発表した「Race to Zero」キャンペーン。 ご存知でしょうか。以前noteでもご紹介しました。 このキャンペーンの元、SBTiの「Net-Zero Standard」など、各イニシアチブが遅くとも2050年までに「Net-Zero」を着地点として基準を作成、参加を募っているところです。 話を進める前に、「Net-Zero」の定義を確認しておきます。 科学的根拠に基づく経路に従って排出量を削減し、つまり、SBTiの1.5℃目標のような

Verraのクレジットが使いやすくなりそう

カーボン・クレジットの使い方については、繰り返し説明してきました。 目的によって、「使える」「使えない」が変わってくるんですよね。 これまでは、作る方もボランタリーであれば、使う方もボランタリー。 互いが互いを信用していれば「契約成立」でOKでした。 ところが、2050年ネットゼロという目標が世界的に認識される中、それを達成しようとするイニシアチブが複数立ち上がり、それを求める機関投資家が現れ、それに応えようとする企業が現れてきました。 それに応えようとする企業を応援