【カヤンガン・ティガ】村ごとにビッグスリー

Om swastyastu!
サリです。

バリ島は完全な村社会です。
それはもう、村から離れたら生きていけんくらい。

宗教行事を執り行うだけじゃなくて
人生儀礼もすべて村あってなもんですから・・・

どんだけかっていうと
生まれることも死ぬことも
結婚することも離婚することも、

「村で引き受け、村で認める」

くらいな勢い。

ほんで
村=宗教行事を執り行う最小単位

なもんやから
バリ島の村社会は
ヒンズーの神様あっての村運営。

村にも2種類あって

行政村(デサ)
慣習村(デサ・アダット)

の両方をいわゆる
「大きい村」と呼ぶとすると

町内会・部落(バンジャール)

を小さい村と呼ぶことができます。

バンジャールはそもそも、
オランダが統治のために作った
「地域組」みたいなもんですが、

インドネシア立国後、
政府がそのまま行政区分として
継続利用している町内会。

大きい村は宗教儀礼上の諸々を司り、
小さい村は村民の生活上の諸々を司ります。

で、その大きい村・デサのすべてに存在するのが
カヤンガン・ティガ

と呼ばれる3大寺院なんです。

カヤンガンはバリ語で
概ね「神様」の意味。

ティガはインドネシア語で
「3」という数字を表します。

つまり「3つの神様」=「3大寺院」

と呼ばれています。

この3大神、
もう言わずと知れたヒンズーの3大神ですわ。

各デサ(行政村)に必ず


ブラフマ
ヴィシュヌ
シヴァ

を祀る3つの寺院が
存在しているというわけです。

生活への根付きかたがもう、
村民の魂の根幹を作っとるかのような

土台っぷり。

それぞれの寺院の役割は以下のようになっています。

まずは共通して。


<プラ=寺院>
「プラ」はそもそもサンスクリット語。
「城壁に囲まれた街」を意味するようです。
バリ島の寺院は四方が塀で囲まれているところが
ほとんど。
よって「プラ」は寺院を指すようになったとか。


では3大寺院をご紹介。

ーーーーーーーーーーーーーーーー
 ①プラ・デサ(別名:火の寺院)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
 創造神ブラフマを祀る。
 デサは行政村のこと。
 ゆえにそのデサの集会所的な役割をもつ。
 実際、プラ・デサ敷地内に村の集会所があるケース、
 多いしね^ ^
 ブラフマは火の神様なので「火の寺院」。

ーーーーーーーーーーーーーーーー
 ②プラ・プセ(別名:水の寺院)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
 守護神ヴィシュヌを祀る。
 プセは「おへそ」のこと。つまり真ん中を意味する。
 だいたいの村の儀礼が行われるのはココ。
 だからか、神様が座る「蓮華座」みたいなものが
 このプラ・プセにはあったり。
 ヴィシュヌは水の神様なので「水の寺院」。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ★プラ・ダラム(別名:風の寺院)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
 破壊神シヴァを祀る。
 主に葬儀を行う場所。
 村の墓地にくっついてる形で
 村はずれの海側(不浄の方向)に建てられていることが
 多いらしいです。
 バニヤンという樹がだいたいあって、
 荼毘に付されるまで村の死者は
 この樹の下で眠るとか。(村で共同火葬だからね) 
 シヴァは風の神様なので「風の寺院」。
 (でもバリでは火と結びついて火葬を司る説あり)


実はこの3大寺院が揃って初めて
「村」として完全体であると考えられています。


ここでも
「トリムルティ(3神一体)」という

ヒンズー教義のコアが
息づいてるんですね。

そして毎度のことながら
生活と宗教は一心同体だなあ、と

日本の宗教観とはあまりの違いに
驚きを隠せません。

今や日本で
自分の住んでる地域の氏神様の

神社名と
御祭神と
その神様の特性やご利益を

言える日本人は
どんだけおるかなあ・・・・

サリも大人になってから
(いやここ数年でw)

言えるようにしたクチやからね・・・


Om shanti shanti shanti om.
更云サリ

 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?