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NDT Japan Tour 2024

ソロ・エコーby Crystal Pite

降りしきる雪を背景に、幻想的な世界を作り出す本作は、ブラームスの著名な2つのソナタにのせて紡がれる。
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本作は抽象と具象のバランスが絶妙である。具体的なストーリーがあるわけではないのだが、ダンサー達の関係性が、声なきドラマを紡ぎ出していく。様々な事が起こるたび、人と人とが助け合い、つながり合い、そして別れを繰り返していく。ラストは特に胸に迫るシーンが待っている。
解説:乗越たかお

公演HPより

この公演を観に行くまで、NDTの存在すら知らなかったが、今まで観たコンテンポラリーダンスの中で、「ソロ・エコー」は一番感動した演目だった。コンテンポラリーダンスは、たまに前衛すぎる表現に気持ちがついていけないこともあるが(同時公演の「La Ruta」がそんな感じだった)、この作品は何の前知識がなくても入り込めた。暗闇に雪が降りしきる舞台そのものが、まず美しい。ラストの振り付けは、人が生きていく中で幾度も別れを経験し、最後には一人になる、ということを美しく哀しく表していた。

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