世界の中心にあって、それを展開せしめる須弥山
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ブッダの死後分裂を繰り返した部派仏教は、本来のブッダの教えから離れて様々な哲学思想を展開し、膨大な論書を集成していった。そんな論書のひとつに須弥山の世界観が記されている。
阿毘達磨倶舎論によれば、大宇宙であるところの虚空に、気体でできた風輪が、その大きさは文字通り宇宙大の広がりを持ってぽっかりと浮かんでいる。その上に太陽の直径の六倍ほど、800万Kmを超える直径を持つ液体の水輪が浮かび、その上に同じ直径で固体の金輪が浮かんでいる。金輪の上は塩水の海