ポケモン俳句結果発表④

どうも、この体型のくせにボルダリングサークルの体験に行く事になりました。コンフィです。
さて、今回から正式な賞に入って行きます。今回はエリートトレーナー賞、普段の入選と考えていただけるとわかりやすいと思います。20句一気に行きますのでついてきてくださいよーー!!!


水澄める夜を発つ千のドクケイル
ぞんぬ

きれいですよね〜〜全ての言葉選びが的確で無駄も全くなく、一つの映像作品のような句です。
この句、最後がアゲハントなど綺麗すぎると逆に優等生感が発生し、浅くなりがちですがドクケイルと持ってきた選択が素晴らしいと思います。
アニメの「さよならドクケイル!」も思い出す一句ですね♬

バッジ磨いてテンガン山の笑ふ朝
ぞんぬ

印象的な場面を切り取った一句。バッヂを磨くのは「ダイヤモンド・パール」であるミニ機能の一つで、うまーく切り取ったなぁと感心してしまいました。
下五の抑えもうまく機能しており朝の清々しい光景が見えます。

黄色とは日向の色やポリゴン忌
沼野大統領

これは作者見た後ですが、大統領さんらしいなぁと言う感じです。ポリゴン忌は、アニメを出禁になったポリゴンを忌日にした季語と推測できます。
日向の色と置く事で黄色の対比が上手く出来ており、ポリゴンへの思いがさりけないながらに伝わります。

夏休み通信ケーブル持ってこい
沼野大統領

上の句とは変わりシンプルな句。昔のポケモンを思い出す一句ですね。下五の口語により、そこに存在する子供たちのガヤガヤとした声とゲーム機の数々。
夏休みという季語もシンプルですがしっかりとハマっています。

水澄むやはかいのいでんし沈む湖
伊藤映雪

"はかいのいでんし"は金銀に登場する道具ですね。この句は、その物理的な読みもありますし特定しない概念的なものが沈んでいるとも読めます。
季語との取り合わせに色々考えさせられる一句です。

うららかやバードウォッチングにルギア
細川鮪目

もう、色々と面白いwww
ルギア海の神だし!基本深海にいるし!バードウォッチングにいるはずないし!万一見えたとして何にもうららかじゃない!恐怖だよ!!

もう、こんなツッコミを考える時点で私達は既にゆーもくワールドに引き摺り込まれています。
元々フィクションのポケモンの中のさらにフィクションを作り出した面白い一句です。

なみのりサイドンなみのりに倒さるる
石井一草

これは切り取り方がしっかり上手い俳句。こういった句はぜひ頭の中で情景をしっかりと浮かべてみてください。クスっと笑えるユーモアとしっかりとした映像換気力が共存している一句です。
サイドンのチョイスも丁度いいと思います。

目が覚めて金半分になる霜夜
平良嘉列乙

一見散文的な句に見えます。しかし、この句はその散文臭さを凌駕するほどのリアリティーがあります。この語順でなければ物語の鮮度が薄まり、半分になった瞬間の感情が引き出しきれないと判断しこの賞にいただきました。

前カノと目元似ているコイルかな
いちに

技術的に凄い巧い!となる句ではないですが、なかなか引き出せない意外性があります。特に良かったのがコイルという選択です。ここで草タイプ系のドレディアやキレイハナなどではなく人工的にかわいいコイルを持ってくるセンスが抜群です。

ミルタンク転がれば秋深めゆく
鳥田政宗

深めゆくと深みゆく、、、この選択が本当に深いですよね。ミルタンクが転がる事に意外性はありませんが、秋を深めてゆく行為であるという事にしっかりとした詩の核を感じます。

万歩計持つてやみのばしょに秋思
ふるてい

この句私は二つ読みを考えました。
①なぞの場所と間違えた
②ダイヤモンドパールの孵化中で作者みたまの塔にやみのばしょを感知した
どちらだとしても秋思という季語が絶妙にハマっており季語の選択の妙を感じる一句です。

秋の雷ピカチュウはピカチュウのまま
藍創千悠子

好き嫌いは分かれそうだけど私は好きですねぇ😏
絶対に"近い"のは間違いないのですが、進化をしないというこの決意を秋の雷が人間にとっては激しく、ピカチュウにとっては優しく包み込んでくれるような気がします。

弱らせた末に討たれる春野かな
阿部八富利

ポケモンの捕獲場面ですね。光景と季語の取り合わせが非常に良くポケモンならではの映像がしっかりと見えます。
前半はあるあるではありますが取り合わせる季語によって佳句になるのがポケモン俳句の非常に面白い所です。

水温むうつかり買うたコイキング
真井とうか

これは歴史的仮名遣いが大きく機能した例だと思います。飄々とした味わいがあり、コイキングという下五に知ってるひとはあ〜あれかぁとなり知らない人も調べる意欲を掻き立てる一句になっています。

風光るヒノアラシほど目を細め
相田えぬ

ヒノアラシ、、、かわいいなぁ😍
この句は風光るとヒノアラシの絶妙な距離感が1番の魅力です。"ほど"でもうワンパンチ入れられるかもしれません。

アクジキング都会も満月も喰うか
竹内政貴

東国原さんの「ラフレシアも秋夕焼も人を食うか」みたいなものを感じますね。
しっかりとアクジキングというポケモンが立っており、満月という季語も食べられながら存在感があります。

こんな鳩笛カビゴンは目覚めない
鈴白菜実

「ぼうや、カビゴンはポケモンの笛で目覚めるんだよ」と声をかけたくなる句。もちろんどれだけ鳩笛使って、、、ではあるんですがいつかカビゴンが目覚めると信じて鳩笛に納得してない様子が映ります。

さんざめく野や夜霧よりガチグマ来
草臥男

言葉選びが一つ一つ丁寧で秀逸です。1番評価したポイントは来の一字です。ガチグマの迫力や強さを信用していないとここに一文字置けないような感じがします。句全体に緊張感があり、ポケモン俳句のお手本のような一句ですね。

雷やテレビ明るくして見てね
葉月庵郁斗

少し標語味はあります。しかし、同時にこの句は後の世代まで残さなければいけないのも事実です。
いつかアニメでポリゴンの主役回が作られる事を願って、、、、

満月の孵化開始まであと数歩
広瀬康

ポケモンの面白い要素は卵が時間ではなく歩数で決まる事です。作者は、卵と照らし合わせて満月に生の心を産み出しています。その発想が綺麗で希望を感じます。


⑤へ続く

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