ポケモン俳句結果発表⑧

前置きはいりませんね。大変ながらくお待たせ致しました。チャンピオンは、、、、、、、この一句!!!!!!!!!!!!


ヒトちゃんと名付けヒトカゲ連れて春
相田えぬ


まず何を言う前に可愛い!!この句を生み出すという事にトレーナーとしてのヒトカゲへの愛を感じる一句です。今回はこの一句を4つのポイントに分けて解説していきたいと思います。

①ポケモンの選択
②季語の選択
③動詞の選択
④ニックネームの必然性

①ポケモンの選択

まずはヒトカゲの選択。これが違和感なくハマったのが非常に大きいですね。まずここは句意と季語から考えてひねくれる必要は全くありません。もちろんヤブクロンやイワークなど個性のあるポケモンだからこその魅力はありますがこの句の初々しさとリアリティを生み出すものとしてヒトカゲは非常によかったです。
炎タイプたねポケモンの選択も、ほのかな温度やトレーナーのやる気を感じますね☺️

②季語の選択

個人的にこれは春一択です。秋や冬では良い意味でのトレーナーとしての未熟感を生み出せません。ヒトカゲという選択をした以上夏は近すぎます。
マサラタウン周辺のなんでもない道を歩いている光景は"春"という季語だからこそ生み出せます。素晴らしい判断だったと思います。

③動詞の選択

シンプルですがこの"連れて"も非常に上手いですね〜
歴代のポケモンの作品でこの連れ歩きという文化は進化を遂げてきました。1マス毎の時代から滑らかになり、現代のオープンワールドになる。この歴史的な流れを知っている人は思い浮かべる。
書いている景から様々な事を読者は勝手に感じる。その引き金をこの句は本当に描いてくれています

④ニックネームの必然性

さて上五の"ヒトちゃん"の話に移りましょう。「なんのニックネームでも良いじゃん!!」そのお気持ち、とてもよくわかります。しかし、こここそがこの句がチャンピオンになった一番の要因です。
「ヒトちゃん」ってニックネーム、めちゃくちゃ時間をかけて考えているように見えますか?×ボタン2回押せば「ヒト」になる事からも私は可愛いながらも適当さを感じ、この適当さが決め手になりました。

「ヒトカゲ可愛い😍😍ニックネーム??うーんヒトちゃんでいっか!!ほらヒトちゃん!いてきて!!」

このような新米女性トレーナーの姿が想像できませんか?この微笑ましい光景が春という季節に存在している。このリアリティーが17音で表現できる事が俳句の素晴らしさです。

もちろん、ポケモンはさまざまな楽しみ方があります。ジムバッジを集めてチャンピオンを目指すもよし。オンライン対戦で他人としのぎを削るもよし。

しかし、自分のポケモンに対して愛しながら接する。これも一つのポケットモンスターというゲームへの味わい方なのだなぁと気付かされました。
今回、素晴らしい句がたくさんありました。それでもこのリアリティーを前にして私は胸を張ってこの句をチャンピオンに推す事ができます。本当におめでとうございます。


さて、長かった発表ですが、最後かるくあとがきを投稿して終了とさせて頂きます。

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