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VRC Geographic 海外Public -ジャンクフード界隈- 文字起こし+スチル


プレゼンター、McDonald'sで

ようこそ、VRC Geographicの世界へ。
皆さんもご存知の通り、VRChatには様々な楽しみ方があります。
例えばお喋り、写真撮影、観光、ゲームワールド、「できること」を挙げていくだけでも数多の選択肢がありますね。
では次に、「誰と?」についても考えてみましょう。
新しい出会いに期待できるPublicやFriends+、あるいは安心できるFrindsやInvite+?
「できること」と「誰と?」の組み合わせで、まさに千差万別の楽しみ方があるVRChatですが、一つ、日本人コミュニティにはあまり浸透していない選択肢があるのです。
それこそが…

「海外Public」

「恐ろしい」「治安が悪い」そういった印象ばかり持たれている彼の地ですが、実はその奥に、他では味わうことのできない魅力が隠れているのです。
今回はその中でも一際多様性に富んだ「ジャンクフード界隈」の美しくも危険な生態系を、海外Public探検家のA氏と共に追っていきましょう。

Public探検家、McDonald'sで

注意事項

今回紹介する「ジャンクフード界隈」では、場合によっては視界ジャックや大音量アバター、マイクスパム等と遭遇することがあります。
自分で楽しんでみたい、と思った際はまず
・SafetyのCustom機能を用い、全ランクで左3つの項目のみ許可する
・音量設定にてVoicesの値を低めにしておく

等の措置を取ってから空気を味わい、自分に合うかどうかを確かめてみるのが良いでしょう。


「ジャンクフード界隈」とは

A氏は、海外Publicを探索する中で、「よく似た独自の生態系」が築かれている二つのワールドを発見し、これを「ジャンクフード界隈」と名付けました。

Public探検家、McDonald'sで

―一つ目のワールドは、皆さんご存知マクドナルドを、二つ目のワールドは海外で人気のゲーム、Five Nights at Freddy'sを元にしたものです。
集まっているのは主に海外の低年齢層のプレイヤーなのですが、彼らの振る舞いには、多くのインスタンスである種の共通した「文化」あるいは「傾向」のようなものが見られたのです。
そして観察の結果、大まかに分けるとこの「文化圏」には五種のプレイヤーがいることを発見したのです。

ジャンクフード界隈の生態系

ジャンクフード界隈には、実に多種多様なプレイヤーが存在します。
残念ながら、殆どのプレイヤーが版権アバターを用いているためここで画像や映像をお見せすることはできませんが、その「生態系」について見ていきましょう。

観察者(Publicidae Observini Observini)

彼らはジャンクフード界隈において、大抵の場合インスタンス内では二番目に多く見られる存在です。特徴としては、ジェスチャー、アバターや言語でのコミュニケーションを殆ど行わないことが挙げられます。

Public探検家、McDonald'sで

―一見するとただの傍観者ですが、彼らは場合によって他の種に「変化」する可能性もあります。
一番簡単な例としては「ネタアバターの大群に参加する」といったものが挙げられますね。
また、そうでなくとも彼らはジャンクフード界隈の雰囲気を作り上げるのに重要な役割を果たしているとも考えられます。
もしかしたら、あそこで佇んでいるプレイヤーは私と同じようにこの空気を楽しんでいる日本人プレイヤーなのかもしれない、と考えるのも、なかなかいいものですよ。

参加者(Publicidae Participini Participini)

彼らはジャンクフード界隈において最もよく見られる存在で、何らかの手段により他のプレイヤーとコミュニケーションを取ろうとします。
多くの場合彼らはとてもフレンドリーで、観察者とコミュニケーションを取ろうとして失敗をする姿もよく見られます。

Public探検家、McDonald'sで

―彼らはいわば、ジャンクフード界隈の基盤となっている種です。
もちろん、彼らのフレンドリーな振る舞い自体も特筆に値するものですが、ここで注目すべきなのは、このようなコミュニケーションに積極的で、「打てば響く」種が大部分を占めているからこそ、様々なプレイヤーが集まってくるのだ、という部分なのです。

表現者(Publicidae Participini Perfruora)

彼らは参加者によく似ていますが、ある一点で大きく異なります。
それは、「演技」です。
例えば纏っているアバターの口調や声を模倣したり、店員のロールプレイをしたり、音楽に合わせて踊ったり、彼らはアバターという特性を最大限活かしながら楽しみ、そして周囲をも楽しませようとしているのです。

Public探検家、McDonald'sで

―彼らは、いわばジャンクフード界隈の「花形」です。
「なりたい自分になれる場所」、彼らはまさにその理想の体現者。
ロールプレイを行っているのは我々も同じかもしれませんが、重要なのは彼らは多くの場合版権アバターを用いているということです。
共通の、しかもすでに外部に存在するキャラクターを互いに認識しているという前提の上で、ロールプレイを行っている。
これは、我々の「演技」とは一線を画すものでしょう。
また、ユーザー名でなく、キャラクターの名前で呼び合って会話しているという光景もよく見ますね。

顕示者-マイク(Publicidae Participini Perfruora Micspama)

彼らはマイクを使用し、ひたすら大きい音や暴言を撒き散らします。
多くの場合彼らは「サウンドボード」と呼ばれる類のソフトウェアを使用し、ショートカットに音声を割り当てて出力しています。

Public探検家、Freddy's Custom Pizzeriaで

―実のところ、少なくともこの場所において、表現者と顕示者は二つの独立した種ではなく、顕示者は基本的に表現者に内包されうるのです。
例えば、「ステージに立って、マイクから音楽を流して、それに合わせて踊るプレイヤー」はどちらでしょうか?
ある人は音量を基準にするかもしれません。
またある人はその内容を基準にするかもしれません。
しかし、一番重要なのは、「周囲の反応」です。
ファストフード界隈では、大音量で絶え間なく暴言を放つプレイヤーの周りに人が集まり、そして笑っている、という光景を見かけることがあります。
実際にその場にいる人々にしてみれば、彼らはよりアグレッシブな表現者でしかないのかもしれません。
手段は違えど、周りを楽しませているのですから。

顕示者-アバター(Publicidae Participini Perfruora Avatera)

彼らはマイクではなくアバターを用い、大きい音や視界ジャック、パーティクルライブ等の多彩な方法で他プレイヤーたちの目と耳を楽しませ、もとい、破壊します。

Public探検家、Freddy's Custom Pizzeriaで

―彼らもまた表現者に内包されうる、と言いたいところですが、一つ、大きな問題があるのです。
ジャンクフード界隈人口の大きな割合を占めているQuest単騎ユーザーは、これらのアバターを見ることができないのです。
私自身は彼らの行為を「表現」であると捉えているのですが、これを単なる「攻撃」とみなし、完全に新しい種として扱う、という意見にも一定の妥当性があるのは否定できません。

探検家インタビュー―ジャンクフード界隈の魅力

ジャンクフード界隈のどのような点に魅力を感じるのですか?

Public探検家、Freddy's Custom Pizzeriaで

―一言で説明するなら、「フレッシュさ」ですね。
Quest対応で、しかも人口が多い。
ジャンクフード界隈には大抵、結構な数のVisitorやNew Userがいるんです。
「界隈」と呼称してはいますが、ここには成熟したコミュニティというものがありません。
年齢層が低いため飲んだくれも居ませんし、会話の内容もアバターやロールプレイに関するものが多く、日常に関する会話、フレンドに関する話題は殆ど出てきません。
ここにいる人達は、コミュニケーションというよりも「VRChat」というもの自体を楽しんでいる、というのが伝わってくるのです。
「初めてVRでログインした人の反応が見たい」といった話はよく聞きますが、ここではずっと、それを味わうことができるんですよ。

―実際のところ、治安はどうなんですか?

Public探検家、Freddy's Custom Pizzeriaで

―「悪い場所」という括りなら、ポピー横丁等と比べるととてもお行儀がいいものですよ。
先程も述べたようにQuest対応で単騎ユーザーが多く、パーティクルや音が「飛び交う」といったことはあまりないのです。
まあ、殆どの人が版権アバターを纏っていたりと、日本のFriends+等と比べると流石に「悪い」と言わざるを得ませんが。
また、これは個人の感想となってしまいますが、年齢層が低いためでしょうか、この界隈では「マイナス感情」「ストレス」といったものを殆ど感じず、「居心地」はとてもいいのです。
日本では多くの人がPCVRを楽しんでいるようですが、世界的に見ると「Quest用のアプリのダウンロード数がクリスマスの日に急増している」といったデータがあるんです。
ここに集まっているのは、「単なる新しいゲーム用のデバイス」そう捉えてQuest 2を買って貰った純真な子供たちで、だから居心地がいいのではないかと、私は思います。

―英語がわからなくても楽しめるものですか?

Public探検家、Freddy's Custom Pizzeriaで

―個人的にはそう考えています。
やはり沢山の人が集まって、純粋に、楽しそうに遊んでいるのを見るのはいいものですし、混沌とした雰囲気を楽しめる人であるなら、言語の必要のない、楽しい「イベント」も沢山発生しますよ。
例えば、アラート時のBGMを流しながら走り回るスネーク、ガビガビの音声で喋るピカチュウ、The Final Countdownを流しながら走り回る集団、ポータルを開いてPublicのスターバックスに突撃する猿のタワー、面白さを言葉で説明するのは難しいですが、こういうものに遭遇するととても嬉しくなります。
それに、折角異文化に手軽に触れられるデバイスを持っているのですから、この美しくも危険な場所を、一度も見ないままというのはもったいないですよ。

アバターについて

さて、ここで一つ、ジャンクフード界隈に興味を持ったあなたへのアドバイスがあります。
海外Publicへ飛び込む際に大きな障害となるのが「言語の壁」です。
もちろん、これを解消する簡単な方法はありませんが、アバターの選択によって「話しかけられる確率」を下げることはできます。
というのも、共通のフレンドや趣味を持った人々が集まっている訳ではないPublicでは、「アバター」が会話の糸口となることが比較的多いのです。
海外Publicを楽しむ上で特筆すべき効果があると考えられるのは、次の三つのアバタージャンルです。

  1. PC限定アバター
    PC限定アバターを用いることで、海外Public では多く見られるQuest単騎のユーザーから話しかけられる確率は激減するでしょう。

  2. Publicアバター
    Publicでは「クローンさせてくれ」といった会話が起こることがあります。最初からクローンを許可した状態でPublicのアバターを使用していれば、応対する手間も省けるでしょう。

  3. ネタアバター
    所謂「ネタアバター」と呼ばれる類のアバターは、言語が通じない環境でも効果的なコミュニケーション手段です。話しかけられる確率は格段に上がるでしょうが、言語を用いないコミュニケーションに挑戦してみたい、という方は是非。

つまるところ、極力話しかけられたくないならば「PC限定のPublicアバター(サンプルなど)」を使用するのがベストな選択であると考えられます。

エンディング

プレゼンター、パリピ砲を浴びながら

さて、今回のVRC Geographic、お楽しみいただけましたでしょうか。
今回は、海外Publicのジャンクフード界隈、その魅力をお届けしました。
ではまた次回、JHP編でお会いしましょう。
おやすみなさい。


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