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あの鳥はもうTweetできない

長く深い冬がだんだんと優しくなってゆく、鳥たちの鳴き声が聞こえ始めると忘れかけていた春の記憶が蘇る。愛し合う恋人たちのことをラブバードとはよく言ったもので、毎年春になるとカップルになれた鳥たちは行動を共にし優良物件を探し、リノベーションをして卵を産み、仲睦まじく子育てに勤しむ。種によるのだろうけれど父鳥もかなり協力的。
因みにうちの人気物件は、玄関前の桜の木にぶら下げたバードハウスと玄関ランプの上。毎年、2−3回ずつその巣で違うカップルたちが卵を産んで小鳥たちは巣立ってゆく、知らぬ間に。

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*なかなか孵化したてはグロい。玄関ランプの上より

私がどんなところに住んでいるかというと、郊外の自然と利便さの調和の取れた、ナショナルパークのほど近く。だから家が木々に囲まれていて鳥だけに限らず野生の動物に沢山出くわす。今日の朝は雨だったけれどお昼までには上がって晴れた。そんな日は家の中が外よりも暗いので窓ガラスが鏡のようになってしまう。

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*バックヤードから撮った我が家。夏の頃。木は主にメープル。紅葉はきれいだけれど落ち葉広いが地獄。

バインとたまに音がする。鳥が窓ガラスに向かってぶつかる音。今日はやけに多くて、そのうちの一羽は死んでしまった。慌てて拾って胸のあたりを押さえてみたけれど反応がないまま動かなかった。雀よりも大きくインコくらいの大きさだった、すごく軽かった。手からその輪郭だけが伝わる。

とりあえずそこら辺の大きな葉っぱをちぎってその上にのせた。何の供養にもならないけれど。そして悲しむ間もなくハエやハチに見つかってあっという間に分解されて土にかえってゆく。あの鳥はもうTweetできないけれど。

*表題の写真は今朝、玄関前に落ちでいた鳥の巣の一部と思われる。うちのプードルの毛が採用されていました。

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