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「不動産投資で節税しませんか?」の罠

こんにちは。
税務コンシェルジュの塚崎純代です。
日本一やわらかくお金とビジネスのことをお伝えしています。

年収の高い方々にとって、頭のいたいのが、負担の大きい所得税。
住民税と合わせて最大55.945%の税率が、毎年続くとなると、
「なんとか減らせる方法はないかなあ。」と
潜在的に思っていらっしゃる方も多いと思います。

その潜在的な願望を狙って
「賃貸不動産に投資して、節税しませんか?」
「このシュミレーションみてください。節税効果すごいでしょう!」
今も昔も、賃貸不動産への投資をすすめる営業は珍しくありません。

賃貸不動産投資の魅力とは

たしかに
①「目的に合った」物件を選んで、
②「初期コスト」も適正で、
③「利回り」も金融商品以上に得つつ、
④「保有コスト」も適正で、
⑤保有期間中の一定期間内の「所得税」負担も減り、
⑥「手残り」も最初から/途中から増やせて、
⑦「レバレッジ効果」で節税も利回りもよくして、
⑧適性なタイミングでより多く「現金化」できたり、
⑨相続財産の「評価」を引き下げて次世代に渡せたり、
⑩「FIRE」にむかって確実に積み上げたり、
できる可能性があるのが、
賃貸不動産への投資の魅力であります。

期待とちがう!?不動産投資あるある

ざっと上げても、上の要素があるというのに、
⑤の所得税や⑨の相続税の節税効果をうたったり、
耳ざわりのよい⑦レバレッジや⑩FIREの言葉に
可能性や魅力を感じてしまう営業をかけられて
コロッと騙されるとまではいきませんが、
高い買い物をさせられる人が、あとをたちません。

確定申告のご相談のときに、
確かに節税の願望は叶っていても、
ただ高いコストを支出して損をしたことでの節税だった。
そんな結果を見ることも、1度や2度ではありません。

もちろん、どんなによい物件を購入したとしても、
不動産投資にはリスクがあって、
予期せぬ災害や事故が起こって損することはあります。
だけど、
無知なだけで、本来避けられたはずの
割高な購入代金、
割高な毎年の手数料、
思った効果がでない結果、
手許現金が必要なときに不足、
などは、避けたいところですね。

税理士がみている不動産節税の世界

毎年かかる所得税・住民税でいうと、
最大55.945%の高い税率がかかる方々が
中古市場価格の安定している
中古木造住宅・アパートや、
高級住宅地のアンティークマンションで
多額の減価償却費を出して毎年税金を減らしつつ、
税率が20.315%に引き下がる5年後以降に売却して、
約56%→約20%の税率差による節税を行っているのが
本来の賃貸不動産をつかった効果的な節税の世界。

相続税でいうと、
実売価格と、固定資産税評価額や路線価との差額や、
賃貸不動産の評価減と、借入金のマイナス資産の組み合わせで
相続財産の評価額を引き下げる節税を行っている世界。
ただし、
富裕層に王道と言われてきたこの相続税対策も、
積極的に金融機関が借入をさせたり、やりすぎ感もあり、
2022年最高裁判決で、過度な節税対策に警鐘がならされました。

ほかにも、
収益性の高い不動産を、先に子や孫に贈与したり、
会社で購入して、妻や子や孫へ収益を給与として支払ったり、
家族を使って行う節税もあります。

賃貸不動産投資に失敗したくないなら

富裕層の方には、
お金があるからといって、高い買い物をしない。
節税できることと、高い手数料で損することとの違い。
資産運用もかない、節税もできる。の両方の視点。
資産運用ならば、ほかの手間がかからない投資との比較。
どの税目をどのタイミングで節税するかの目的意識。
引き継いだものが維持できるか、や、現金化への道すじ。
過度な節税対策は、あとから取り消される可能性。
などを
複合的に考えてみていただきたいところです。

金融機関や不動産業者から、営業があった場合には
実際の節税の効果はどれほどのものなのか、
購入前にご相談にものりますので、
お気軽にお声かけくださいね。
具体的資料をお持ちください。

年収500万円前後の方だと、
この節税効果にはなかなかはまりにくいので、
節税よりも、利回りや、手のこりを重視したいところですし、
紹介料目的で、友人から高いワンルームマンション投資を
つながれないようにも気をつけたいところです。

全てが悪い、わけではありませんが、
新築ワンルーム投資
と聞いたときには、冷静な分析をしてくださいね。
節税シュミレーションが、自分と前提が合っていなかったり、
シュミレーション表に書いてある経費額が実態と違っていたり、
広告料や手数料など高いコストが購入代金に含まれていたり、
しがちです。

最適解の不動産投資は、ひとそれぞれ

賃貸不動産への投資の世界では、
中古ワンルームマンション投資も、
投資効果が低いといわれていますが、
流通量が多いこともあり、都心の場所と物件を選べば、
年収500万円でも始められるハードルの低さ
給与や年金に+αの収入
富裕層の方では複数部屋の所有により
一棟買いのアパートが複数の相続人で共有よりも
複数の部屋をそれぞれの相続人に渡せる。
子女の大学進学時に利用できる。
売値がいいものを選び、都度現金化できる。
など、
使い勝手がいい投資でもあります。
先の節税の分析とともに、お声かけいただければ
誠意ある業者さんにおつなぎもいたします。

ワンルームマンション
一戸建て
一棟ものアパート・マンション
目的と資金と効果によって、
最適解はかわります。
自分に合った投資をお選びくださいね。

個人で投資不動産をもつか
会社で投資不動産をもつか

ご家族のことも合わせて最適解がかわります。
選択肢はいろいろありますので、ご相談ください。

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