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棒（朗読）
声：VOICEVOX:冥鳴ひまり→https://voicevox.hiroshiba.jp 詩：こんちくけ→https://note.com/conchiqueke/all 「棒」 女の人のような棒が玄関先に立っている 日時計のように花に囲まれているが 影は釘付けにされてただ風に震えている もうすっかりと歴程は忘れられ というか忘れることができる人がもういない 人のような棒ばかりいる 棒（詩）→https://note.com/conchiqueke/n/nd6d402820ce2 Twitter→https://twitter.com/conchiqueke/status/1653553502789029889
座屈（朗読）
声：VOICEVOX:WhiteCUL→https://voicevox.hiroshiba.jp 詩：こんちくけ→https://note.com/conchiqueke/all 「座屈」 座屈した釘が 引っこ抜かれようとしています あんなふうに叩かれて こんなふうに放り出される 座屈した釘が 片足けんけんでやってきます もともと足は無い筈なので 片足だとは言えないけれど 座屈した釘が 陽射しの中で笑っています 曲がった頭が空を仰いで こんなふうに自由になれた 座屈（詩）→https://note.com/conchiqueke/n/n137f30c0af5b Twitter→https://twitter.com/conchiqueke/status/1396591748181237760
干渉縞（朗読）
声：VOICEVOX Nemo:女声2(透川ナナ)→https://voicevox.hiroshiba.jp/nemo/ 詩：こんちくけ→https://note.com/conchiqueke/all 「干渉縞」 日時計を照らす月明かり この翳りは肺胞の 隅から隅まで旅して巡る 言葉は光を持つくせに 押し出されるのは淀んだ息だ 指し示したいのに折れ曲がり 干渉縞を浴びせて滲む 干渉縞（詩）→https://note.com/conchiqueke/n/n81af42b028a3 Twitter→https://twitter.com/conchiqueke/status/1401637037703188482
振幅（朗読）
声：VOICEVOX Nemo:女声2(透川ナナ)→https://voicevox.hiroshiba.jp/nemo/ 詩：こんちくけ→https://note.com/conchiqueke/all 「振幅」 弦の振幅のなかに虹があらわれることがある 円盤のすりこぎ運動のなかにむかしの景色がうつることがある いずれにしてもぼくたちは その振動のなかにうまれた光だ だから手足をじたばたさせてなきさけぶ だから安心してつよく心をふるわせればいい 振幅（詩）→https://note.com/conchiqueke/n/nde20dfeb3f2e Twitter→https://twitter.com/conchiqueke/status/1389570009358245888
円錐（朗読）
声：VOICEVOX Nemo:女声2(透川ナナ)→https://voicevox.hiroshiba.jp/nemo/ 詩：こんちくけ→https://note.com/conchiqueke/all 「円錐」 群青色の円錐が手紙を遠ざける それが空であっても雨の終わりであっても 雨は無期限に降下している空です その芳香を遮断してください あなたが いつまでに 単独で 煙になる空に向けて発っても 達することはできない その芳香を浴びてください 空は無期限に降下している この雨です 円錐（詩）→https://note.com/conchiqueke/n/n87c05a45dd49 Twitter→https://twitter.com/conchiqueke/status/1393116887446298624
境界線（朗読）
声：VOICEVOX:WhiteCUL→https://voicevox.hiroshiba.jp 詩：こんちくけ→https://note.com/conchiqueke/all 「境界線」 境界線を引くと 、小さなニュートリノが渡って来る 怖がらなくていい 、ただ通り過ぎるだけだから 明ける前に鳥がなきだし 、暮れる前に虫がなきだす 金曜日の明け方に眠ったら 、土曜日の夕方に目が覚めた 一枚の紙をひろげると 、ばらばらな光子が集まって来る 煩がらなくていい 、そのうち混ざって真っ白になる 境界線（詩）→https://note.com/conchiqueke/n/naffd9925acd8 Twitter→https://twitter.com/conchiqueke/status/1532156867899949058
太陽の写真（朗読）
声：VOICEVOX Nemo:女声2(透川ナナ)→https://voicevox.hiroshiba.jp/nemo/ 詩：こんちくけ→https://note.com/conchiqueke/all 「太陽の写真」 旅の途中に太陽の写真を撮った 山のような部分が黒かった 夜の写真も撮った 波のような部分がくだけて白かった それから旅のあとに足を投げ出した どす黒かった 泳いでみたかった 我が家の中の夏の海だった その写真はたぶん きれいに青く写ったとおもう それから気分転換に 畳をひっくりかえしたかったが それがなかった 日に焼かれて黄ばんだそれさえ それからまた足を投げ出した あお臭かった 太陽の写真（詩）→https://note.com/conchiqueke/n/n68300ba27c03 Twitter→https://twitter.com/conchiqueke/status/1775352287030022366
図書館（朗読）
声：VOICEVOX:WhiteCUL→https://voicevox.hiroshiba.jp 詩：こんちくけ→https://note.com/conchiqueke/all 「図書館」 横顔ばかりの記憶を頼りに図書館を探す 木漏れ日を背に貼り付けたまま入館する 特に拒まれることもない 小径のような静寂を辿る 詩歌の棚から本を引き剥がす 擦れ出た微かな音が虫のようだった 図書館（詩）→https://note.com/conchiqueke/n/n19019fffd929 Twitter→https://twitter.com/conchiqueke/status/1633376054198042624
変圧器（朗読）
声：VOICEVOX:WhiteCUL→https://voicevox.hiroshiba.jp 詩：こんちくけ→https://note.com/conchiqueke/all 「変圧器」 変圧器が高く掲げられている夕方に 雷光が電線から垂れ下がり 歩車道分離線を舐めている 光がこんなに重いなんて初めて知った 軽トラックが 何事もなかったかのように通り過ぎたら 車道にかすかなさざ波が立った 歩道にすこしだけ打ち寄せた 変圧器（詩）→https://note.com/conchiqueke/n/n4e125b66b1ef Twitter→https://twitter.com/conchiqueke/status/1717131591691211258
滲んでわかる（朗読）
声：VOICEVOX Nemo:女声2(透川ナナ)→https://voicevox.hiroshiba.jp/nemo/ 詩：こんちくけ→https://note.com/conchiqueke/all 「滲んでわかる」 点じゃ見えない 意味がない 今が過去へと滲んで見える 流れ去るのとはちょっと違うね 今が未来へと滲んでわかる 伐り拓くのとはちょっと違うね あなたも私も月も心も 滲んで見える 滲んでわかる 滲んでわかる（詩）→https://note.com/conchiqueke/n/n09510a8b3725 Twitter→https://twitter.com/conchiqueke/status/1550289527075672064