未確認生物

日中は周りのお友達がSNSに
「今日は遊んだなり~楽しかったなり~はんなり~ダブルピースダブピ」
とよくわからない投稿をあげていて集中できない
そのため作業は夜中にすると決めている

作業に取り掛かって約3時間が経過し、集中力も切れたので自販機に飲み物を買いに行った

もちろん時間が時間なので、周りは街灯と自販機と突飛な動きをする円盤しか光り輝いていない

あたたかい飲み物が欲しかったけど、めぼしい物が一つもなく家へと戻ることに

するとマンションの出入り口に見たことない全身グレーの人が立っていたので勇気を振り絞って声をかける

「この時間にここで何をしているんですか?」

するとその人は、黙って私の手の甲にスタンプを押してくる
怯えながら手の甲を確認するとそこには「再」と書かれていた

なるほどテーマパークの再入場を真似たかったのか、と自己完結した私は
「私は再入場じゃなくて家に戻るだけですよ、だから~戻の漢字が正しいですかね笑」
としたり顔でその人に言ってやった

その人は言葉を発することなく首だけを横に振る

私ももう一度同じことを言う
「私は再入場じゃなくて家に戻るだけですよ、だから~戻の漢字が正しいですかね笑笑笑」

多めに笑わせてもらった

それでもまだ首を横に振り続ける

痺れを切らした私は、無視してマンションの中へと入った

しかしさっきまでいた管理人さんの姿はそこにはない
何ならスタンプを押してきた人に顔が似ている人はいる

恐る恐るエレベーターに乗るが、階数のボタンが8階から15階までしかない
このマンション7階建てなのに。

あーあ、完全に異世界に来てしまった

外に出た夜中2時半から3時の間って確か丑三つ時だよな~と思いながら最上階に行ってみる

ドアが開くとそこには先程のスタンプ星人がうじゃうじゃいた

この場合って幽霊の仕業じゃなくて、マンションごと宇宙人にさらわれただけだよな~とまたもや自己完結する

とりあえず金輪際夜中に自販機へ行くことを止めますと宇宙人に誓った

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