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もう後悔しかできないので

泣いていた。
自己肯定感の話」を読んで。

このエッセイは80歳過ぎた祖母とお孫さんのイギリスへの旅行の話なんだけど、私はひたすら自分とおばあちゃんに重ねてしまい、こんな風に旅行に行けたらよかったのにな(90超えて歩く体力も全然無く無理な事は理解しているが)、とかこれくらい自己主張してくれた方が全力で望みは叶えてあげられたのにな、とか色んなことを考えながら、私は結局のところ何もしてあげられなかったなと泣いた。

一緒に行けたのは近所の紫陽花寺と潮来の菖蒲を観に行ったくらいで、最後に約束した鹿島神宮ですら行けなかった。
行く時間はいくらでもあった。私が行こうって言わなかったから、おばあちゃんは行きたいとは言えなかっただけで。
いや、もしかしたら鹿島神宮に別に行きたいとか思ってはいなかったのかもしれない。
私にはそれすらわからないままで、あんまり仲良しだったわけでもなく一緒に生活をしてくれていただけだったんだなとも思う。

このエッセイの中でお化粧をバッチリする祖母の話が出てくるが、おばあちゃんも自力で頑張れている内は絶対にクリームと眉毛だけは欠かさなかった。
20年近く前に脳の血管がどうにかなって(病名が思い出せない)(連絡を貰って泣きながら走って母の職場まで行ったのを思い出した)ICUに入っていて、意識を取り戻してすぐに「眉毛書きを持ってきて」と言ったくらい身嗜みはずっと気にしていた。
おばあちゃんが1人暮らしだった頃も、朝起きて、殆どの日は誰も訪問しないし出掛けもしないのに、必ずお化粧をしていたようだった。
どんな気持ちだったのか、もうわからないけど。


私は父に「おばあちゃんが最期まで家で過ごせるように」と召喚されたのに、最期は結局病院に閉じ込められて「家に帰りたい」と言わせたまま亡くなってしまった。
もうずっと後悔している。

そんな事をさせてしまうために、私は、


そんなこんなで美しく楽しいエッセイを読んで、いかに自分が何もしてこなかったかを思い、泣いていた。

もう後悔しか出来ないので。

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