僕は大いに人のせいにする

多くの書籍で、たくさんの立派な人達が、「人のせいにするな」と言う。

この言葉に託された教訓というのはつまり、

「起きている問題を他人のせいにして、それが原因で自分のやるべき行動が制限され、いつまでも実行に移せないで、結果が伴わない状態は生産性がなく、無駄なのでやめた方がいいよ」
ということだと思う。

まあ、どんな本を読んでも、最終的に行き着く結論はこんなとこだろうが、本や一つの長い文章を最後まで読む人ばかりじゃないことを考慮に入れると、

「問題を人のせいにするな!全ては自分の中に原因がある!」

というアドバイスは、体育会系っぽかったり、時にスパルタっぽかったり、とにかく、「向上するためには甘えは許されん!」と言われているようなニュアンスを感じ易く、言われた本人をある意味、ただただ突き放す結果に終わる可能性を孕んでいる。

問題解決に繋がる本質が内包されているにも関わらず、その言葉の真意が理解されずに、結果として放置されるパターンは非常に多いと感じるのは、そこまで見当違いではないだろう。

じゃあ僕が同じ意味合いのアドバイスをするとしたら何と言うか。

「人の、環境のせいにしまくればいいんじゃない?」

やっちゃえ、やっちゃえ。ついでに心の中でそれらに向かい、中指を立ててやればいい。
(僕は立てませんが)
そして、仲間と居酒屋に行き、大いに愚痴を吐き出せば良いと思う。もっと気楽に生きようぜ。

問題を他人の・環境のせいにしたら、その次に、その原因を自分なりに徹底的に究明する。
その後で、それを回避、もしくは改善するために必要と思われる策を練り、実行する。
(もちろん、自分で思い付かないなら、信頼できる仲間に相談して良い)

仮説を立て→検証(実行)
この繰り返しを、直面している問題に対し愚直に繰り返すのみだ。

高度な仮説など最初からいらない。それは繰り返し実行していく過程で徐々にブラッシュアップされていくものだからだ。日常的に、あらゆる疑問や問題に対して、「仮説→検証」という癖をつけていくと、その精度は次第に上がっていくだろう。

「人のせいにする」ことの何が悪かと言えば、
人のせいにしっぱなしで、対応策を考えずに、ただただ思考停止に陥り、問題が解決しないことだ。

逆に言えば、常に問題の原因と対策を考える準備があなたの中でされている状態ならば、
「人のせいに」しまくればいいのである。

実際に僕は仲間と仕事や人間関係の愚痴を言い合うのが大好きだ。ただ、この飲み会が他と何が違うかと言うと、文句に終始するのではなく、「どうしたら解決に向かうか」を仲間と夜通し語り合い、意見を出し合うのだ。こんなワクワクする「愚痴大会」はないと思っている。

そして、問題解決の糸口を見つ出した後はもちろん、実行プランを考え、次の日もしくはそのすぐ後から行動に移していくのだ。
ちなみに、この飲み会のコンテンツの内容は、
愚痴:議論=1:9
と言った割合になる。

思うにアドバイスというのは、「何を言うか」ではなく、「何をどう言うか」が重要なのではないか。

もちろんそこに、「誰が言うか」という要素に重きを置く人もたくさんいると思う。
そんな方々は、黙って、偉い人や著名人が書いた本のありがたーいお言葉を頂戴していれば良いだけだ。

僕が今、この文章を誰に向けて書いているか。
それは、「昔の僕」へだ。

社会経験も浅く、人間関係について悩むものの深い考察を持たず、ただただ斜に構えていた若い頃の自分に、よく本の中で言われるような、格言めいた綺麗なアドバイスをしたところで、到底聞く耳を持たなかっただろう。

アドバイスは、その言葉そのものに価値はなくて、その言葉を正しく解釈した上での、その先の行動をすることで初めて意味が生まれる。

本の中の人は、だいたいが何かで成功した能力が高い人だったり、または著名人だったりするわけだから、どんな良いことを言っていても、「そりゃあ、あなただからねぇ…」となる人も多いのではないだろうか。

そう思った瞬間に、どんな革新的なアドバイスであろうと、「単なる言葉」もしくは文字情報に成り下がる。

そうなるくらいなら、身近にいる、身近な問題をコンスタントに解決し続けている、身近な隣の兄ちゃんのお言葉の方がよっぽど効果的かつ、実行に移せる可能性が高いと思うのだ。

物事の本質は絶対に動かないものだが、そこに辿り着くまでの道順は無数にある。
だからこそ、いかにその無数の選択肢の中から、自分にとっての1番の近道を選択できるかが、人生を少しでも楽して生きる鍵になる。

「人の・環境のせいにしまくれ」だなんて、乱暴に聞こえるかもしれないが、それ以上に、「立派で綺麗な言葉」で、読者や相談者を置いてきぼりにする行為こそが悪だと、僕はいつも思っている。

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