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【レビュー】猫の見守り用にAIカメラを導入! Ubiquiti製品を使った猫動画量産方法/DreamRouterでセキュリティ対策も

本記事ではUbiquiti(ユビキティー)社のAIカメラ「G4 Instant」他を使って猫を見守る方法について紹介します。

「旅行中、猫は元気に過ごしているかな…」

猫様を持つ飼い主なら、誰もが一度は抱くこの不安。猫様はもう高齢で、さらに最近開腹手術したばかり。留守中に体調が悪くなったらどうしよう…そんな不安を抱えていました。

本日の主役。いつもこの場所で寝ている。
(カメラ映像からの切り抜き)

そんな折、ネットワーク環境の見直しと合わせて、猫様の安心・安全な生活環境を実現すべく高機能ルーター「Dream Router」とAIカメラ「G4 Instant」「G3 Flex」を導入しました。

ただのペットカメラならもっと安い中華製品があります。大事な場所に置くからこそセキュリティとプライバシーに妥協はしない。そこで目をつけたのがUbiquiti社製品でした。以前からネットワークセキュリティ製品を売っているので比較的安心感があります。

当初は猫様の様子をいつでも見守れる環境づくりが目的でしたが、その目的を超える猫動画パラダイスが誕生!
さらに、Dream Routerの強力なセキュリティ機能にも驚かされました。
本記事はUbiquiti製品の魅力と、導入時の注意点、体験したトラブルについて解説します。

※本記事はUbiquiti社から一部機材のご提供を受けています。リンクはアフィリエイトではない公式ストアへの直リンクです。

洗練されたデザインと充実の機能

Ubiquiti(ユビキティー)は、主にネットワーク機器を作っている米国の企業で、洗練されたデザインと技術力を兼ね備えた製品を提供しています。元Apple社員が創業しました。今回導入した製品は以下の通りです。

1. G4 Instant カメラ 思わずかわいいと口に出る。 超小型&2K高画質&AI搭載カメラ

握りこぶしより小さいサイズながらAI機能を搭載した高性能カメラ。
Type-C給電なので設置場所を選びません。

G4 Instant2Kの高画質とコンパクトなサイズ感が魅力のネットワークカメラです。Wi-Fiと電源さえ確保できれば、どこでも簡単に設置できます。価格は1万8千円前後と、国内メーカーとものと大差ない価格帯です。

2. G3 Flex カメラ 有線接続で安心! フルHD画質で猫様を24時間見守り隊

G4 Instantより一回り大きい有線カメラ。
LANケーブルがDream Router (UDR)への接続とPoE給電を兼ねている。

G3 FlexフルHD画質のネットワークカメラです。缶コーヒーサイズで有線接続による安定した動作が期待できます。価格は1万5千円程度。ケーブルが一本で済むのがいいですね。

3. Dream Router (UDR) これ1台で全てが完結。高機能なのにコスパ最強ルーター

Dream Router (UDR) は「夢のルーター」と呼ぶにふさわしい高機能デバイス。それどころか実際触った感触では「ルーターを名乗っている何か」です。後述するネットワークカメラへのLANポートからの給電機能 (PoE)、強力なセキュリティ機能、そして洗練されたデザインは、所有欲を満たしてくれるとともに、快適なネットワーク環境を提供してくれます。価格は3万円台と張るように見えて、その機能を考えると破壊的なコストパフォーマンスがあるように思われます。

4. LANケーブル

UniFi パッチケーブル アウトドア - Ubiquitiストア 日本 - 屋外で使える耐候性の高い8mのLANケーブルです。G3 Flexは電源をDream Router (UDR) からLANケーブルで取る(PoE)ので配置の自由度を高めるため長くチョイス。

無限に供給される猫動画パラダイス!

猫様はソファの上が定位置なので狙い撃ちするようにカメラを設置しました。白くて可愛らしいデザインでインテリアの邪魔になりません。

猫様がテレビを見るとカメラ目線で撮影されるポジションに仮設しました。

仮設なので平置きですが、壁・天井・ポールに固定するパーツも付属していました。

設置してしばらく放置し、WebブラウザからDream Router (UDR) をリモート操作できる Unifiコンソールにログインします。
すると、眼前に猫動画パラダイスが出現しました!

猫様がソファで寝転んで毛づくろいをする姿。
noteに投稿するため切り出してGIFアニメ化したため画が荒い。

静止画切り抜きだとこの通り。

Ubiquiti Protect(画像はWeb版)で検出前後の動画が楽しめる。
サムネイルにマウスを乗せるとパラパラとプレビューされ探しやすい。
アプリ版の動作はスムーズで快適(接続が切れて待たされる時もある)。
数日分を途切れなくスクロールさせた時のタイムラプス感が爽快。

画質の良さ、暗視の速さ、そしてアプリの滑らかな動作は感動ものです! どこからでも猫様の様子を確認でき、音声も聞こえるので安心感が段違いです。

画質はG4 Instant2K画質(2688x1512 30FPS)、G3 FlexフルHD画質(1920x1080 25FPS)で、スマホから見る場合はフルHD画質でもはっきりと見え十分綺麗に感じられました。PCで見るとやはりG4 Instantが綺麗です。

タイムラグはコンマ数秒程度で思ったより少なく、スマホから音声を出したまま近づけるとハウリングするくらいには遅延がありませんでした。

暗い室内でも部屋の隅までバッチリ見える

暗くなると暗視モードに切り替わります。真っ暗な部屋でも猫の毛並みまではっきり見えます。切り替え速度もぬるっと早くて問題ないです。正直なめてました。

暗視モードでの猫の様子
(背景は加工でボカしてありますがきちんと見えます。)

動体(モーション)検出

G3 FlexG4 Instant の両方で動体検出ができ、動くモノが写ったイベントの前後を切り抜いて保存できます。この精度が優秀で猫動画取り放題です!
ほぼ撮り漏らしがなく、一方で小さい羽虫には反応しません。

ただ、動体検出ではヒトや車も区別されずに検出されます。G4 シリーズ以降ではAIイベントでヒト、車両、動物(猫、犬、牛、羊、馬、鹿、熊)を区別して検出できるようになりました。今年に入ってからのアップデートで追加されたようです。デフォルトでは有効ではないので以下のように追加しておく必要があります。

猫を検出するには、AIイベントを記録にチェックして、ビデオ検出タイプに動物を追加する。
(コンソール>Protect>⚙>録画マネージャ)

AIイベントが検出されたところはこんな感じ。

🐾マークが左下についているサムネイルが動物イベントを表している。
猫様が真ん中になるよう切り抜かれていて実に芸が細かい!

近所の猫が敷地を出入りしているところを映像に残せたことが予想外でした。左下のように寄りすぎたり見切れたりした場合には検出されにくい場合もありました。ヒトと車は特に問題なかったので今後のアップデートでの改善を期待しています。(最近のアップデート後に検出数が増えたように思います。)

猫動画のアーカイブを作ろう!

Unifi Protectは映像の一括ダウンロードに対応しています。動体検出イベントとAIイベント検出の一覧から猫様が写っているものをポチッと複数選んで一括ダウンロードできます。Web版とアプリ版の両方で対応しています。これで保存容量を超過して古い映像が消えてもアーカイブクリップが手元に残ります。

タイムライン画面からタイムラプス動画も作成できます。これもWebとアプリの両方で対応しています。倍速は60倍/120倍/300倍/600倍から選べ、一度に24時間分出力できます。雲が形を変え影が廻りときどき猫様の様子も見えました。素晴らしい!
人間が寝ている間に活動している時間帯も分かります。

手術からしばらくして、猫様はすっかり元気になりました。少食だったのに吐くまで食べるようになり、さまざまな場所を歩き回るようになりました。老い先短い猫様の思い出も残せて良かったです。

メリット&デメリット

メリット

基本機能の質が充分高い

このジャンルの製品を買うのが初めてなので見落としがあるかもしれませんが、防犯カメラとしての基本機能がよく出来ています。部屋の隅まで見える暗視よく練られたUIは触っていて楽しいです。動体検出やAIイベント検出により欲しいカットだけを効率的にダウンロードできるのも便利です。

選べる高画質と保存期間のバランス

2Kの高画質で24時間 連続録画の場合、512GBのmicroSDカードでカメラ2台2週間分の動画が保存できます。当たり前ですが画質が高いと録画時間が短くなります。そこでイベント時のみ録画にすると伸ばすことができ、イベント頻度によるものの半年は持ちそうなペースです。さらに画質を落として期間を伸ばしたり、別売のCloudKey+でHDDを増設したりできます。

ダウンロード機能が充実

イベントの一括ダウンロードやタイムラプス、静止画ダウンロードなどがあり映像が活用しやすいです。

デメリット

首振り機能がありません

とはいえ、電化製品は可動部から壊れていくため安価な部品では長期運用に向かないのかもしれません。最上位製品には追尾機能があるようです。実用上は今の画角で充分です。

カメラ本体が比較的高い

中華の激安防犯カメラは近い機能性で1/5ほどの価格です。ただこれはランニングコスト込みの比較になっていません。今回のカメラはクラウド経由で外から見られるにも関わらず月額料金が発生しません

なぜ無料で継続できるのか? 映像はDream Router (UDR)のmicroSDカードに保存され、外からスマホで見るときもUDRから配信される仕組みのため、外部に映像が保存されません(保存費用がかからない)。

ちなみに、もしUnifiコンソールサービスが中断・サービス終了してもUDRに直接接続できればそのまま使い続けられます。

英語表示になることがある
直し方はWeb版の方にログインして上のアイコンをそれぞれ選んで、左下の⚙→System→Languageから「Japanese - 日本語」を選ぶと日本語化できます。PC推奨です。

AIカメラとDream Router(UDR)をセットで買って良かった点

ここからはルーターの話になります。
Dream Router(UDR)はカメラの親機として機能し、繋げたすべてのカメラを管理したり映像を保存・再生するために必要です。
親機になれる同社の製品は他にもありますが、Dream Router(UDR)はコンパクトで見た目が良く単なるルーターとしても優れています。

カメラへの給電と通信がケーブル一本でできる

さらに、有線LANポートのうち2口が PoE (Power over Ethernet) 規格の出力に対応しているため、有線で PoE 対応の「G3 Flex」カメラとの相性が抜群でした。PoE では通信ケーブルに電力も流すことができケーブルが1本で済みます。

ダウンロード速度が速くなった

もう一つの導入の動機だった古いルーターからDream Router (UDR)への置き換えも成功し、ゲーム(FF14)のラグが軽減する効果が出ました。Wi-Fiの位置関係の問題で5GHz帯を使うと不安定でしたが、以前のルーターと同じように2.4GHz帯のみ使う設定に変えて安定しました。

またSteamのダウンロード速度が24Mbpsから88Mbpsに向上しました。インターネット回線は100Mbps契約なのでプロバイダの機器の限度近い速度まで出ていると思います。1Gbps環境が無かったためテストできていませんが、他のユーザーによると有線で700Mbps〜930Mbps出るようです。無線LANは2.4Ghzで600 Mbps、5GHz利用で2.4 Gbpsの仕様になっています。十分でしょう。

セキュリティ強化のコスパが半端ではない

Dream Routerはその名の通り夢のように機能が全部盛りされており、本来なら数十万円〜の業務用ルーターや専用機器(アプライアンス)にしか付いていないような上級セキュリティ機能が年間ライセンス料無しで使えます。

  • 広告ブロック

  • 接続先の国/地域の制限

  • 不審なアクセスのブロック 不正侵入検知/防御(DPI)

    • ウイルス、マルウェア、P2P、ハッキング、怪しいインターネットトラフィック、不正アクセスで知られているIPアドレスのブロック

  • Webフィルタリング

    • アプリ単位のアクセス制限・速度制限

      • YouTube、Facebook、Tiktok等 2000のWebサイトとアプリ

    • アプリの種類によるアクセス制限・速度制限

      • SNS、オンラインゲーム、メッセンジャー、P2P、VoIP通話、ファイル転送、ストリーミング、メール、ビジネスツール

  • VPNサーバー・VPNクライアント・拠点間VPN

  • WiFiアクセスポイント乗っ取り検出

  • 接続している機器の名前、OS、モデル、アプリ別の通信量表示と記録

初期状態では無効なので、有効にしてテストウイルスをダウンロードしてみようとしたところ、ページが真っ白になりダウンロードに失敗しました。
検知はするがブロックしない設定にしたところ、ダウンロードはできたものの管理画面に警告が表示されました。スマホに通知もできるようです。

無料だからクオリティがいまいちかと思いきや同社の業務向けルーター製品も同一のソフトウェアで稼働していて機能の差は無いそうです。

業務用のFortiGate社製品を入れると年間ライセンスだけで10万円は必要(本体別)ですが、これ本当に3万円代でいいんでしょうか?
デメリットは通信速度が500Mbps〜700Mbpsまで下がることですが、それで困ることは無さそうなので常にオンにしています。
セキュリティの必要な自営業や中小のオフィスでは特にオススメです。

全部猫様のおかげだぞ。

Dream Router(UDR)導入の注意点

UDRは機能盛りかつ手に届く価格で個人的に非常に満足していますが、日本のインターネット回線との組み合わせでは注意が必要です。

国内でインターネットに接続するためのメジャーな仕組みであるIPoE MAP-E方式にまだ対応していないため、接続できないプロバイダがあります。公式に対応している方式はIPoE DS-Lite(transix経由)です。この方式でインターネットを提供しているプロバイダは「IIJひかり/IIJmio/excite MEC光/INTERLINK ZOOT NATIVE/BB.excite光Fit/enひかり」等になります。また、ケーブルテレビや電力系などPPPoEを使用するインターネット回線やIPv4のみの回線でも利用できます。
すでにプロバイダ提供の貸与ルーターやWiFiがある場合、速度は落ちますがそれらのLANポートに接続しても動作するはずです。

非公式ですが、transix経由以外のDL-Lite方式の場合も動く可能性があります。以前の記事でまとめたAFTRアドレスをインターネットの設定にコピーしてみてください。

また、速度が落ちるので全くお勧めはしませんが、フレッツ光(コラボ)のMAP-E環境で動かす裏技も紹介しています。

Ubiquity製品は比較的頻繁にアップデートをしているので、今後国内のメジャーな環境に対応してくれると期待しています。

まとめ

猫様の見守りのためにAIカメラを導入したところ、昼夜問わずはっきり見える映像に驚かされました。

スマホでリアルタイムに観察したり、過去の撮れ高の一括ダウンロードやタイムラプス作成も楽しめました。

セキュリティ事案が頻発する昨今ですが、手軽に企業クラスのネットワークセキュリティも導入できるDream Router(UDR)とG3/G4カメラの組み合わせは興味深いものでした。

あなたの家庭や事業所で一式導入してみませんか。

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