【詩】サイン
燃える、人間のからだ は
朝焼けの
降る
町
だ
こころの
ほとぎ
に
雨が、たまって
(( ))
飛び越えて
ゆく
傘
さかさま に
なった
ミサ
子どもたちは
高く、高く、舞いあがるブランコ で
むすびめ を
ほど
き
ことほぎ に なって
燃えちまえ
思うままに
空気
を、
吸って
脳の迂回路
に、
風が
吹いて
おもいでたちの骨 に
からまってた
鬼ごっこ
が
今日、
飛んだよ
狼煙になった
なまえ
たち
の
くちもとで、
子どもたちの みみ が
魚魚(とと) を
つかまえて
もも の ような
ほほ の
なかで
ことづて が
燻って
鬼は、ここにいるよ
おぼえたて の
九九の
階段をふみはずしたばしょで
手を、ひらいて
花だよ
と、
嘘を灯した
みんな みんな
なぐり描きの
よう
に
笑って
祈りの殻を、踏んで歩く
かぎりなく
ゼロに ちかい
ひとさしゆび と
おやゆび の
わっかの
サイン
で
腐った川の
なか へ
ぜつえんたい の
からだ
を、
飛び込ませてゆく
海
を、
盗むために
(現代詩手帖2023年9月選外佳作)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?