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挑戦と創造:ワールド制作で見つけた新たな可能性

この記事は クラスターAdvent Calendar 2023 シリーズ1の24日目の記事です。昨日は @t_hara さんの「design doc: 朝活」でした。
しっかり自己分析して改善に取り組む姿勢は素晴らしいですね!overwatchを引退していなければ満点でした!😉


改めましてこんにちは!クラスター社でデザイナーをしている「こんぱいる」と申します。今年の記事では、10月頃から新しいワールド「Project C」を構築し始めた経緯や動機、その実際のプレイ体験から得られた洞察などについてお話ししていきたいと思います。

ワールド制作に関わる方々の参考になれば幸いです。それではどうぞ!


私についての紹介

これが私の姿。見かけたらぜひ気軽に声をかけてください!

私が初めてワールドをつくったのは2020年4月頃。アスレチックと謎解き要素をかけ合わせたゲームワールド「NAZOTOKI LABO」をリリースしました。ありがたいことに2.5万回以上遊ばれて、3年前リリースしたものですが、今でも何人か遊びに来てくださる人がいるみたいです。
3年経って今もなお遊び続けられるというのは感慨深いものがありますね。

ほかにも、MineCraftのようにブロックでワールド作りができる「CraftWorld」や、乗り物機能を使ったレーシングゲーム「ISU RACER ~イスレーサー~」など、途中で中止したものも含めてこれまで5、6個ワールドを作ってきました。

これまでに公開したワールド

新しくワールドを作ろうと思ったキッカケ

NAZOTOKI LABOはいわばアスレチックです。ステージクリアのような消費型コンテンツで長く楽しく遊んでもらうためには、新しいコースやモード追加などが必要と考えています。

スーパーマリオは子供の頃から遊んできたので、そういったゲームがあったらすごくやり込むだろうなと思います。グリッジや最短ルートを見つけたりして最速タイムを目指したり…そりゃ楽しいですよね!

ただ私はどちらかというと、コンテンツを作り続けるよりも仕組みによって使い方次第で面白さが生まれるものや、clusterというサービスの性質を最大限活かしたゲームを作りたいと考えていました。
そして、せっかくならclusterで人気No.1のゲームになることを目指して本気で作りたいという気持ちが強くあり、なにより私自身が毎日clusterにどっぷり浸かるほどもっとハマりたいのです。

そう、clusterなら自分で思い描く世界を創れるんです。

ストグラの世界に魅了される

「ストリートグラフィティ ロールプレイ」略してストグラ。ゲームワールドのことを考えているとき、よく見ているストリーマーの動画を見てストグラと出会いました。

わからない人向けにざっくり説明すると、Grand Theft Auto 5 (というゲーム)を舞台に、街の住人の1人になりきって現実世界さながらの第二、第三の人生を楽しむことができるオンラインゲームサーバーの1つです。興味ある方は非公式WikiやYoutubeでストグラと検索して動画を見てみてください。

人気のストリーマーさんたち含めて、ネットで活動するエンタメな人たちが集まっているからこそストグラが面白いというのは間違いないのですが、それ以上にゲームの仕組みが面白いからこそ成り立っているのではないかと思ったのです。

面白さの要素分解

ストグラで起きているものごとや行動の中から、面白いと感じる要素をいくつかピックアップしてみました。

  • お金の概念があり、経済的取引ができる

  • 生きるために仕事をしてお金を稼ぐ

  • 人間なのでお腹が減る、喉が渇く、倒れる

  • お腹が空いたら飯を食い、喉が乾いたら水を飲む

  • 身体が不調なら倒れ、治療を要し、治療を施すのも人(プレイヤー)

  • 法律があり、刑罰がある

  • より快適に暮らすために車や家を購入できる

  • お金を使ってギャンブルができる

  • 洋服やアクセサリーなどで自分のなりたい姿で過ごせる

  • スマホがあり、現実世界のように扱える

  • 警察、救急隊、飲食店のオーナー、車のメカニックなど様々な職種がある

  • 現実世界では出来ないことを経験できる

  • その世界の住人になりきっている(ロールプレイ)

  • 様々なロケーションがある(遊園地、ビーチ、公園…etc)

コアとなる要素として、お金の概念や仕事のシステム、生活要素などが面白さの源泉と考え、ゲームの仕組みづくりを始めました。

最初のプロトタイプ

仕事のわかりやすい例としてパソコンを使ったデスクワークをイメージして、時間経過で報酬(時給)が得られる仕組みをつくってみました。

デスクワークをしている様子

最初は仕組みだけのテストだったので、本当に最初の見た目はもっとシンプルに四角い箱だけがあってそれに座るだけでした。

ただ、ゲームである以上はなにかしらの演出やインタラクション(相互作用)がほしいよね!と私は思っているので、仕組みの次は実際にどれくらいの演出が表現できるか、自分の手で作ることができるかどうかも含めてモーションやサウンドの組み込みなど、クオリティではなく出来るかどうかのテストをしていました。(このあたりは今後のモチベにも影響するので先に知りたかったというのもある)

制作初期頃に遊びに来てくれたみなさん。ありがてぇ…

プロトタイプで大事なこと

ワールドに遊びに来た何人かの人が「なんでバーチャルでも仕事しないといけないんだ。。。」なんて言ってました。

そうですね、もっと楽しいことに変えたほうがいいかも。。。見た目が真面目すぎるのかも?デスクも地味だし、そもそもバリエーションが少ない!?

おーーーーっとそこまでだ!!!!!

あれもこれもやりたくなる気持ちはわかります!理想は誰にだってあるし、夢は広がるもの。ただ、プロトタイプはいかに改善サイクルが回せるのかが最も重要です。あなたの目的はなんですか?まず目指すゴールはどこですか?原点に立ち返りましょう。

奥にある茶色と水色の箱は自販機扱い、他もアセットストアのありもので済ませている

見た目にこだわり始めるとキリがないので、まずは必要最低限の要素で取り組むことをおすすめします。これがものづくりを着実に進めるための近道です。

ある程度仕組みが用意できたあとは、お腹が減ったり喉が渇く仕組みを用意したり、飲み物や食べ物でチャージできる仕組み、食料をお金を使って購入する仕組みなど、コツコツ仕組みをつくっていきました。

制作から1ヶ月くらいの状態。お金を使って遊べるメダルゲームもつくった

リリースしてみた結果

ロビーについで上位2番目の同時接続数 / 写真投稿やいいねの通知ラッシュ
楽しそうに遊んでくれているユーザーさんの写真投稿がたくさん!

clusterの良いところは、リアルタイムに反応がもらえるところ。clusterには写真投稿の仕組みがあるので実際にどういうふうに遊んでいるのか、この投稿を通じて反応を伺えるのもとてもいいですね。

また、ワールドに訪れたときには「前からこのワールドにちょくちょく遊びに来てました!」「会えて嬉しいです!」と言われたのはさすがにちょっとうるっと来てしまうほど嬉しかったです。

そして、実際にワールドで話を聞く限りハマってくれている多くの人が小学生のようだ。どうりで土日にすごく人が増えたわけだ!というか最近の小学生すごい…!

何が良かったのか?

実際のフィードバックから察するに「仕事をすることで大人らしい感覚が得られた」ことと、「時間をかけて収入を得る体験が達成感につながった」ことが刺さったのではないかと考えています。

ワールドにいくと「いま7万まで稼いだよー!」「わたしはもうすぐ10万!」とかチャットが飛び交っていたのも、みんなでワイワイ競い合うような要素になっていたのかなと。これはワールドのレイアウトが生きたのかもしれません。

たくさんの人達がいて常になにかしらの会話がされていた

また、他にも楽しんでもらえたことがありました。それは「飲み物や食べ物を配ること」でした。そう、このワールドは仕事をしつづけているとお腹も減るし喉が乾きます。なので定期的に休んで自分で買いに行って食べる必要があるのです。
そこで配膳が起きていました。「お水いるひとー?」「ごはんいるー?」「ありがとー!」「こっちもお水ほしい!」とこんな感じでチャットで声掛けしながら人のために何かが出来たこともやり甲斐に繋がったのかなと考えています。

clusterのワールドを通じて、人が楽しいと思うものがわかっていくこの感じもめちゃくちゃ面白い!!!!

さいごに

このワールドはまだ一歩目を踏み出したばかりです。
お金を貯めても使い道が圧倒的に少ないし、バグもたくさんあります。
きっとこのあとお客さんも減ります。でもそれでいいんです。

バズは瞬発的な結果でしかないので、目先の利益に囚われずに仕組みや機能の開発を引き続きやっていきます。

特にこういったものづくりの場合、終わりのない完成を目指すよりも、短期的な目標を設定して定期的にモチベーションを維持することが大事ですね!

ということで!現状に満足せずに引き続きアップデートを続けて、最高に楽しいゲームを目指して走っていきたいと思います💪

最後まで読んでいただきありがとうございました!
メリクリ&良いお年を!😃



明日は @o-ki_shari さんによる「メニュー画面を刷新したぞの話」です!お楽しみに!


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