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雨水 第6候・草木萌動(そうもくめばえいずる)

赤坂氷川神社花活け教室「はなのみち」。第3季の最終回は中止となりました。新暦雛祭りの前日、みなさんと花の連句「めぐり花」で春のお祝いとともに締めくくろうと思っていましたが叶わず。でも折角なのでいつもの時間に広間で待たせていただき、花材を取りに来られる方たちとひと時を過ごしました。

花瓶に生けた小さな花は、イースターと雛祭りの合わせ活け。器をイースターの卵に見立て、鳥のようなフリージアを添えています。紅白の桃と雪柳と菜の花は雛祭り仕様。卵は旧世界あるいは冬などを表し、鳥はそれを破って羽ばたきます。国語の「ひな」も「火」(スピリット)が形をなすという意味合いがあり、桃はいずれ百(もも)の実り(子宝)や不老長寿(西王母のように)をもたらす若さのシンボル。「花は紅、柳は緑」といえば、春の里山の風景の理想を歌っています。この紅は桃の花のこと。

画像1皆勤賞の方へささやかなプレゼントとして本を選んでいます。

お天気も悪かったし、出歩くのは憚れられる状況だったのに沢山の方が来てくださいました。神苑でのお稽古は産道(参道)に入って出ての繰り返し。それは毎月生まれ変わっているようなものでしたけど、春分/晴明の頃から、啓蟄前後、草木萌え出ずる時の修了というタイミングはぴったり。

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白い桃。蕾がギリギリまでふっくら。蕾はどれもみんな可愛いのですが、桃は特に柔らかくふくよかに見えます。それにしても春の花の放出するエネルギーは強く、悪いものを祓う力が漲ります。

花粉症も体の中の悪いものが追い立てられているのかもしれません。

                                                                                        (写真;shinichi tsukada)



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