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雨水 第4候・土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)

 春は足元からやってくるという。雨水は日が長くなって気温も上がり、氷も溶け、雪も雨に変わり、それを感じた地中の虫や見えない微生物たちが動き始める頃。気象も行きつ戻りつしながらジグザグと春になっていく。日本橋に誕生した新しい保育園の外構が引き渡し。コロナに負けず、ピカピカの園児たちの水仙の芽のようなうるうるとした園での学びがはじまると嬉しい。

 お庭とバルコニーには方位に合わせ春夏秋冬を象徴する木々が植えられ、四角い建物の中にいながらにしてぐるっとまあるく季節が巡ります。既に春を最初に告げる梅と雪柳が咲いていました。石楠花、姫辛夷、山茱萸、檀香梅、白文字、花桃などは蕾がふっくらしてきてもうすぐ綻びます。枝垂れ桜もほのかに蕾が膨らみ始め。設計さんの敢えての四角い建築には横にお弁当箱のようなバルコニーががっつりついて、外構とバルコニー、2段重ねの庭ができました。三階建ての教室は円環する時空にくるまれ、花は季節を歌い継いでいきます。通う園児たちの身体感覚にも少なからず影響があるはず。日本橋の紅葉通りと桜通りが交わっているところで、小さな公園もあって、それぞれお庭と混じり合っていきます。

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バルコニーの植栽は枝垂れ梅、花桃、土佐水木、キブシ、アオダモ、枝垂の泰山木、サルスベリ、黄金柏、マルバの木、金柑、多羅葉、楓、ロドレイヤ、冬青、南天、柊など。一階外構諸共に、豪奢な風が過ぎていくでしょう。

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実は園庭の向こうはかつては川があって、今は高速道路。ビルの反射光が各方面から植物を照らします。北側なのに明るい。東側の園庭も夕方反射で北側から光が射すなど、植物も戸惑いそうです。    

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   自転車置き場は本当はこっち

園の入り口は公園とゆるく仕切って、柔らかく入っていきます。このラインは園庭の弧を描く芝のトラックにつながっています。      

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