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ことのはいけばな

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花を活けるように、言葉を三十一文字の器にのせて活ける。地軸の傾いた地球に乗って、太陽の周りを一巡り。花を立て言葉を立てて、遊行します。
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2021年9月の記事一覧

ことのはいけはな 秋分 第47候 『蟄虫坯戸(虫、かくれて戸をふさぐ)』

ことのはいけはな 秋分 第47候 『蟄虫坯戸(虫、かくれて戸をふさぐ)』

打ち合わせを終えて外に出て1人

青山の谷底記憶の霞漂う 

虫たちは帰っていく。半年のちにまた顕れる。
命ある者は死ぬことによって死なない

昼間の喧騒が寝って人々が家に帰るとその空いた場所には
墓地の時間がはみ出して
浮かれた熱を冷ます
大きな鳥の翼のように

*白枠のガランと空いたパーキング温かい闇すき間たゆたう

*谷の底釣瓶落としの夕まぐれビルを出るなり首まで浸かる

*墓場より森の巫鳥

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