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ことのはいけはな 秋分 第47候 『蟄虫坯戸(虫、かくれて戸をふさぐ)』

打ち合わせを終えて外に出て1人

青山の谷底記憶の霞漂う 

虫たちは帰っていく。半年のちにまた顕れる。
命ある者は死ぬことによって死なない

昼間の喧騒が寝って人々が家に帰るとその空いた場所には
墓地の時間がはみ出して
浮かれた熱を冷ます
大きな鳥の翼のように



*白枠のガランと空いたパーキング温かい闇すき間たゆたう

*谷の底釣瓶落としの夕まぐれビルを出るなり首まで浸かる


*墓場より森の巫鳥が羽根やすめ浮かれた熱をその身で冷ます

*カープール森の呼吸の溜まり来てせめて良い夢みせんとすなり


*水底でかつての子らもしゃがみ込み夕飯前の優しい時間

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