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友人がひきこもりになった話

COMOLY運営事業の責任者をしている山田と申します。私は、株式会社Meta Anchorという会社を経営し、こちらの会社で、適性検査の事業とCOMOLY事業を運営しています。

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2020年1月から本格的にCOMOLYという事業を始めることにあたり、こちらの事業を創るきっかけとなった出来事を、文章で記載したいと思います。


5年間ひきこもり状態だった友人

自分がひきこもりに興味を持ったのは、小中学校の同級生だった釼持君が引きこもりになったのがきっかけである。


彼は大学卒業後、就職に失敗し、ほとんどの友人と連絡を絶ったままひきこもりになった。彼とは、小中はもちろん、高校に入ってからも一緒に受験勉強もしていたし、大学でも度々連絡とって、会ってはいたものの、2013年の春頃から一切連絡が取れなくなり、5年間音信不通になった

やっと連絡が取れたのは、ちょうど、2018年の6月で、そこから時々、実家の静岡に戻って、彼に会ったり、東京の自分の家に彼を呼んだりしていた

人生に対する目標も全てを失っているように見えた。

国立大学の理系学部を卒業していて、昔から、理系的なセンスを感じていた自分は、彼にプログラミングを学ぶよう勧めた。自分が2016年に通っていたTECH::CAMPである。

エンジニアになれば、ひきこもりの経験や社会人経験の有無など関係なく、技術力のみで評価される世界なので、スキルさえ身につければ、食っていける職種だからである。

彼はすぐに入会し、オンラインで勉強をし始めたが、うまくいかなかった。
学生時代に少し触っていたC言語に面白みを感じず、挫折した経験があったため、拒否反応が起こっていた。

少し難しい課題にぶち当たると、そこで思考が停止、前に進むことができなかった。一緒にペアプログラミングしている間も、当時昼夜逆転の生活をしていたこともあり、すぐに眠くなり、自分の目の前で寝ることも多々あった。

やはり、5年間という引きこもっていた時間に形成された、習慣や認知の歪みは、そう簡単に修正することができないと思った。

人はなかなか変われない

人が大きく変わるのは、
1.   住む場所を変える
2.   付き合う人を変える
3.   時間の使い方を変える

この3つしかない。

確か大前研一氏の本か何かで書いてあった。

1ヶ月に2〜3回、東京の自分の自宅に来て、プログラミングを学んでいるだけでは、やはり難しい。

静岡の自宅に戻るたびに、プログラミングの学習ができないという状態になってしまう。自習をしていないので、後ろめたさを感じ、連絡を取ってもレスが返ってこないということを繰り返していた。

そうこうしているうちに、自分の無力さと徐々に彼への怒りへと変わっていった。

自分:「プログラミングはもうやらなくても良いよ…それよりも、週に2回とかでも良いから、アルバイトして外に出るのはどう?もしそれが出来ないのであれば、自立更生施設に入所することを進めるよ」

釼持:「ちょっと待ってくれ、母親と話してくる」

自分:(ん!? どういうことだろう?)

釼持:「実は、板橋に親戚の使っていないアパートの部屋が空いていて、そこに住むことにするよ」

彼は、以前から東京に来ることを考えていたみたいだが、一人暮らしの母親を置いて実家から離れるのを躊躇していたとのこと。

大きく変わり始めた

ちょうどその話をしたのが、2019年の2月、その後、床がシロアリに食われていたこともあり、部屋の改修とかもあって、東京に住み始めたのは、2019年の8月である。

本格的にプログラミングの学習を再開したのが、2019年の8月からで、その後わずか4ヶ月間でCOMOLYのリリースまでいくことができた。この期間に開発をやるだけではなく、豊島区100ニン会議、渋谷エールカフェ、KHJ家族会など様々な活動に一緒に参加し、ひきこもり当事者やその家族の方々と接してきた。

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※富士の樹海で洞窟探索ツアーに参加した時の写真

全てはきっかけから始まる

あるひきこもりに関する講演で、「ひきこもりで外に出れないのは、きっかけが無いからである」という話を聞いたことがある。

人は外に出るきっかけがなければ、外に出ないし、人と接することも無い。

確かにそうだと感じた。であれば、きっかけさえあれば、社会と接することも可能とも言える。

釼持君の場合は、たまたま東京に来る機会があり、そこで多くの人たちと出会い、繋がることができた。もちろん住む環境を変えることは誰でもできることではないと思う。

COMOLYでは、習慣化する、人と繋がれるという機能を急ピッチで開発を進めている。

まずは、小さなきっかけをいくつも作っていきたい。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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