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悩みは尽きず

「上手いですね〜、日本語」
感心するほど日本語が上手な海外の方、いますよね。

いわゆる、 ”日本語上級者” の方々です。
JLPT、BJTなどの試験で高得点を取り、業務で必要な日本語も不自由なく使いこなす。

もう学ぶことなど必要なさそうに思われがちですが、実際は研修やレッスンの依頼が常にあります。

何を、なぜ、学びたいのでしょう…?

「 “日常会話レベル” の語彙や表現 」

仕事の日本語や敬語などは使えても、それらを日常会話レベルに落として使うことができない。
日本語レベルを落とさないと明らかに変に聞こえたり、コミュニケーション上よろしくない場面が多々あることは本人たちも知っています。

でも、できない…

そこにコンプレックスを持っているんですね。

語彙や表現のレベルを落とすトレーニングが必要になるのですが、これが思った以上に難しい。

「どこまで落とすことが許されるのだろう…」
「相手は不快に思わないだろうか…」
「日本社会では言葉遣いはうるさいはずだ…」
「社会人として不適切じゃないだろうか…」

こんな心配が邪魔をして、カジュアルな表現を自然に避けてしまい、なかなか定着しません。

まさに、”できるが故の悩み” です。


例を挙げてみます。
ある程度信頼関係もできて親しくなっている間柄の方の言葉です。

『来週の研修は4時に変更で進行していただいてもよろしいでしょうか』
『はい、それで結構です。異論はありません』
『会話ベースで行うのがいいと思います』

ちょいちょい ”ビジネス感” が出ていますよね。
不快感は全くないのですが、距離感と違和感は感じます。
彼ら自身も、それはわかっています。

でも、できない…


「場面や状況に合わせて言葉が変えられる」

これができる人を、僕は本当の意味で上手な人だと思っています。
決して難解な語彙や文法を使いこなす人ではなく。

皆さんの周りに「この人、上手いなぁ」と思う方、いますか?
そんな方でも日本語に関しては何かしら悩みを持っているかもしれません。

機会があったら、一度聞いてみてください。
きっとこう思うと思います。

「そこかぁ…」

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